《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
「便秘薬」は、規則正しい排便のリズムを取り戻すためのものと考えましょう。便秘薬頼みの排便は望ましくありませんが、食物繊維の多い食事と適切な水分摂取、ストレスを溜めず、十分な睡眠、筋力アップに適度な運動など、生活習慣の改善に取り組んでいるけれど快適に排便できないのであれば、便秘薬の助けが必要です。
市販薬ならば、正しく用法用量を守り、自己判断で増量などしてはいけません。効果を感じない時には医師の処方を受けましょう。薬には腸を動かす薬、便に水分を与える薬、便を押し出す薬など様々な種類があり、便秘のタイプによって選ぶ必要があります。また、服用する量も調整しなければなりません。直腸にある便をすっきり出すには浣腸も有効です。
もよおした時に排便しないことが日常化すると、便意がなくなり慢性の便秘になります。また少食も、腸がしっかり動かず大腸に便が留まり、便秘の原因となります。生活習慣を整え、正しく薬を使っていけば、薬を使用する頻度は減ってくるでしょう。便秘薬とは上手に付き合っていきましょう。
ただ、いっこうに改善しない場合には、別の病気が隠れているかもしれませんので、医師に相談することをお勧めします。
(ニュース和歌山/2021年6月26日更新)