《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方 常夫院長
心臓の筋肉(心筋)が細菌やウイルスなどに感染し炎症を起こす病気を心筋炎といい、急激に症状が変化する心筋炎を急性心筋炎といいます。
ファイザー、モデルナの新型コロナワクチンは米国で3億回以上接種され、39歳以下における2回目接種後の心筋炎の発症頻度は100万回あたり12.6人程度と分析されています。また、日本国内では、新型コロナワクチンを接種した2718万人中20人に心筋炎が確認されていますが、割合でいうと約136万人に1人で、しかも症状は軽く、全員回復しています。
一方、心筋炎は、新型コロナウイルス感染症の合併症としても報告されています。米国で新型コロナウイルスに感染した平均年齢19歳のアスリート1597人中、2.3%にあたる37人に無症状あるいは軽症の心筋炎が確認されました。
これらのことから心筋炎は、ワクチン接種後に発症するよりも、新型コロナウイルスに感染し、その合併症として発症する方がはるかに高率だと分かります。つまり、ワクチン接種によって得られる恩恵の方が、接種のリスクを大幅に上回っていると考えられるのです。
不安なことがあれば、主治医の先生とよくご相談ください。
(ニュース和歌山/2021年7月25日更新)