ラジオ番組やイベント出演など、和歌山を拠点に活躍する兄弟お笑いコンビ「すみたに」。ボケ担当の兄、角谷匡俊さん(45)と、ツッコミの弟、角谷佳洋さん(41)は大阪や東京での活動を経て、2010年に和歌山へ戻り、故郷で多くの人から愛される芸人を目指しています。今年でコンビ結成20年、さらに地元に根ざし、笑顔を広げる2人に話を聞きました。(文中敬称略)
兄弟で同じ道へ
──なぜ兄弟で芸人に?
匡俊「元々、僕がダウンタウンさんにあこがれて、23歳で吉本興業の養成所に入りました。卒業後、劇場の進行係をしつつ、弟にコンビを組もうと声をかけたんです」
佳洋「僕は正直、あり得ないと思っていましたが、お母ちゃんに『やってみないと分からないから、試しにやってみたら?』と説得されました」
匡俊「1年間、毎日誘いましたから。その結果、まんまと笑いの道に連れ込んだんです」
──その後は?
匡俊「大阪で7年、東京で1年半活動しました。兄弟げんかの様な漫才が持ち味で、ライブのお客さんや作家さんは笑ってくれるんですが、テレビ番組や東京の事務所に入るためのオーディションに受からず…。そんなある日、母が体を壊したと連絡があり、地元に戻ろうと決めました」
佳洋「和歌山に戻ってきたとSNSに書き込んだところ、知人が声をかけてくれ、イベントに出るように。個人で活動するにあたり、『現場に早く行き、会場の設営も手伝いなさい』『ステージは運営の人と一緒につくるもの』と、大阪や東京で学べなかったことを、イチから教えてくれる恩人がいました。その人から『5、6年続ければ街の人気者になれるから』と言われました。その言葉を信じて芸人活動を続けることにしたんです」
愛される芸人に
──転機になったのは?
匡俊「4年前に、和歌山放送で今も続いているレギュラー番組を持てたことです。桂枝曾丸さんやマエオカテツヤさんら和歌山で人気の方々と同じ枠を担当させてもらっています。『地元の人に認めてもらえたのかも』と自信になりました」
佳洋「僕は10年前にあった全国植樹祭のPRキャラバンです。帰郷してすぐ、全く無名でしたが、県内各地でたくさんの人に『はじめまして』のあいさつができました」
匡俊「きょうから開催される紀の国わかやま文化祭の広報キャラバン隊でも、いろんなことがあったね」
佳洋「お肉屋さんにPRに行った時、はらせていただいたポスターのシリアル番号が、たまたま1129(いい肉)だったり、芸能人が町に来てるとうわさを聞いた中学生が『芸能人はどこにいるんですか?』って僕たちに聞いて来たり…」
──ネタみたいなことが起こっていますね(笑)。最後に今後の目標は?
佳洋「目指すは『和歌山の大泉洋さん』。地元の人に愛されるローカルの星になりたいです」
匡俊「今年はコロナの影響でできませんでしたが、来年こそ結成20周年ライブを考えています」
佳洋「あと、大金持ちになりたいです」
匡俊「それホンマ(笑)」
(ニュース和歌山/2021年10月30日更新)