和歌山城の北、和歌山市七番丁に新市民会館「和歌山城ホール」が10月29日、オープンした。柏谷佳邦館長は「芸術・文化の発信と、人が交流する、まちなかのにぎわい創出拠点になれば。お城の目の前という立地を生かし、市民や観光客ら多くの人に愛されるホールをつくっていきます」と意気込む。

 市役所東隣の伏虎中学校跡地に新築した建物は、鉄骨鉄筋コンクリート造り地上5階建て。954席の大ホール、395席の小ホールは、座席を舞台が見やすい配置にした。建物南側は総ガラス張りで、どのフロアからも天守閣を一望できる。紀州材を使った吹き抜けのエントランスホールはじめ、1階に道路側の窓が開閉できる展示室、5階屋上庭園に野外ステージやガーデンテラスと、開放感あふれる造りとなっている。

 10・5×20・0㍍ある大ホールのどん帳は島精機製作所が寄贈。人を意味する大木から五感を表わす枝が伸び、背景に紀州てまりやパンダ、お城といった和歌山の名所や特産品が隠されている。

 早速訪れた同市の中芝章子さんは「天守閣が再建されたとき、伏虎中学2年生でした。久しぶりにこの場所からお城を眺め、懐かしさがよみがえりました」。大阪の大学に通う谷口夕芽(ゆめ)さんは「この辺りはあまり来ることがなかったけれど、新しい店もできたので、街歩きをしに来たい」と話していた。

 同ホール(073・432・1212)。

(ニュース和歌山/2021年11月6日更新)