11月20、21日 和歌浦と加太でイベント
移住を考える人たちが和歌山で商売の感覚をつかめるようにと、空き店舗や空き家を活用し店を出すイベントが11月20日㊏と21日㊐、和歌山市の和歌浦と加太で開催される。企画した市移住定住戦略課は「うまくいけば移住者の誘致、地域経済の活性化、空き家解消と、3つの課題が一度に解決できる。人が集まることで街に活気が生まれれば」と期待を込める。
和歌浦では「和歌浦 明光ワンダーストリート」と題し、明光商店街でかつて米穀店や燃料店、長屋などとして使われていた18の空き物件に約40店が出店する。準備を進める実行委は、同市でゲストハウスを営む宮原崇さんが中心。移住を考えている人はじめ、和歌浦にゆかりある人や全国を回って多拠点で生活する人らが参加する。
表具店跡でお試しゲストハウスを開く神奈川県の村山茜さんは「自然豊かな和歌山で夏から空き家を探していたところ、このイベントを知りました。まずは2日間試し、地域の人と触れ合うのが楽しみ」とにっこり。このほか、南インドカレー店、レトロな食器が特徴の純喫茶、北欧雑貨店、花と昆虫のカフェ、ギャラリーなどがある。
宮原さんは「将来こういう風景になればいいなとのビジョンを形にします。歴史ある建物や昔の記憶を残しつつ、新しいコンテンツを発信することで交流人口が増えれば、活性化するはず」と声を弾ませる。
午前11時〜午後4時。同イベントのインスタグラムか実行委(073・488・6989)。
一方、加太では、港の近くにある空き店舗や公共施設で「加太お試しショップ」を開く。地元産の鯛で出汁を取ったカレー店、陶芸ギャラリー、加太港と友ヶ島周辺をボートで回るツアーなど5店舗が並ぶ。
友ヶ島や海水浴場のある加太は、多くの観光客が集まるものの、散策時に立ち寄れる店が少ない。地元では2019年から移住者の呼び込みに力を入れており、移住希望者を巻き込み、地域ならではの食べ物や遊びを伝えることで、新たな呼び水にしたい考えだ。
実行委メンバーで、加太まちづくり社取締役の小嶋修一さんは「風情ある街並みの空き家や空き店舗の存在を県内外の人に知ってもらい、店をしたい、住みたいとの気持ちにつながってほしい」と願っている。
午前11時〜午後4時。加太観光協会(同459・0003)。
写真=「移住希望者も地元の人も、活気ある街の雰囲気を楽しんで」と宮原さん(中央)
(ニュース和歌山/2021年11月13日更新)