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 和歌山市西山東地区の口須佐文化会館運営委員会は4月19日、初めての防災マップ作りに取り組んだ。毎年の防災訓練に加え、地域の危険箇所と避難路を把握しようと企画。工藤賢児委員長は「日ごろ何気なく歩いている場所でも防災目線で見ると新しい発見があった。防災意識向上に役立てたい」と話していた。

 南海トラフ大地震が発生すれば、和田川を遡上(そじょう)した津波が到達すると予想される同地区。昨年は近隣で採れる竹を使った簡易トイレ作りや、住民の井戸から水をくみ上げるなどの訓練を行った。

 今年は、住民14人が2チームに分かれ、地区内を歩いて避難路を確認。山の近くに民家が集中する同地区は急傾斜地崩壊危険区域や土砂災害警戒区域が多く、地震や豪雨でふさがれる可能性のある道を調べ、高齢者でも安全に移動できる道など複数の避難路を検討し、地図に落とし込んだ。

 和歌山大学防災研究教育センターコーディネーターで、西山東地区防災減災協議会アドバイザーの中筋章夫さんは「『何となく知っている』は災害時に役に立たないため、地元を具体的に知る機会になった。災害発生時に素早く対応する道具の1つとして防災マップは重要。他の地域にも広げてゆければ」と語っていた。

写真=安全な避難経路を地図で確認した

(ニュース和歌山2015年5月2日号掲載)