《回答者》
貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医 手外科専門医
谷口泰德 副院長・センター長
ガングリオンは、手によく見られる腫瘤で中にゼリー状の液体がたまる病気です。この方のように、摘出手術をしても再発することがあります。腫瘤のできやすい所は、手首の甲、手の平、指の付け根などで、手を使い過ぎると大きくなる傾向があります。女性に比較的多く発症します。
症状は、通常は少し不快感がありますが、痛みはありません。腫瘤が大きくなると神経を圧迫して痛みやしびれ、関節の運動障害をおこします。また手の甲にできた大きなガングリオンは人目に触れるので、若い女性にとっては見た目が気になります。
治療は、痛みの症状がなければ放置して経過をみます。大きくなるものは治療が必要です。まず注射器でゼリー状の中身を吸引します。吸引を繰り返しても内容物がたまる時は、手術による摘出術が必要です。ガングリオンは手首の深部から発生していることが多く、慎重に摘出をしないとこの方のように手術を行っても再発します。再発を防ぐためには、深部の茎とつながっている関節包や腱鞘の一部を含めてガングリオンを切除する必要があります。そのため治療は、手術経験豊かな手外科専門医の先生に相談しましょう。
(ニュース和歌山/2021年11月27日更新)