海南市内を中心に撮影された映画『ひとつぼっち』が1月8日㊏、東京で劇場公開され、和歌山県内では14日㊎、ジストシネマ和歌山で始まる。
日本人の心や人のふれあいを取り上げた作品、人物が対象の橋田賞で2017年、新人脚本賞最終選考に残った波流(はる)じゅんさんの物語を映画化した。幼いころ、母親に虐待され、捨てられた経験を持つ波子。介護士として働く施設に、認知症となり、全てを忘れた母、華絵が現れた。過去の記憶に苦しみながらも世話をする波子だが、母の一言が引き金となり……。
プロデューサーを務めた前田和紀さんが和歌山出身のため、海南市と和歌山市で撮影することに。日方川にかかる大橋や海南駅前一番街商店街、浜の宮海水浴場などの風景が随所に登場する。
公開に先駆け、2021年11月14日に海南市で試写会が開かれ、主演の波子役、広山詞葉(ことは)さん、母、華絵を演じた美村多栄さんが来和した。撮影をサポートした「映画『ひとつぼっち』海南応援隊」メンバーらを前に、広山さんは「映画は、一緒に作ってくれた人の思いや愛が映っていると思っている。そういう意味ではここにいらっしゃる皆様が共演者です」とにっこり。撮影中の食事が楽しみだったと振り返った美村さんは「この映画を通して、海南市という素晴らしいまちを知っていただけたら」と願っていた。
なお、ジストシネマ和歌山で1月15日㊏午前11時40分からの上映後、広山さん、美村さんらの舞台あいさつがある。
写真=試写会で作品への思いを語る主演の広山さん(左)
(ニュース和歌山/2022年1月8日更新)