《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
脱腸（そけいヘルニア）は、比較的高齢者に多い病気です。下腹部に違和感や痛みがあり、その後、お腹に力を入れたり立っているだけで少し腫れてきます。放置していると強い痛みや吐き気をもよおし、腸閉塞になる方もいます。医師が触診することで脱腸の診断と病気のタイプが分かりますが、病状によりエコーやＣＴ撮影をすることもあります。
最近の治療は腹腔鏡手術が主流です。麻酔で眠っている間におへその近くを３カ所、５㎜〜１㎝程度切開し、腹腔鏡という内視鏡を入れ、お腹の中から腫れている部分を治療します。所要は45分程度です。従来の切開法に比べ、病巣部の痛みはほとんどなく、基本的には翌日より社会復帰が可能です。ただし、腸閉塞を合併している場合などは切開法が適用となります。
手術の方法は一長一短です。まずはかかりつけ医に相談し、消化器外科専門医を紹介してもらいましょう。消化器外科医専門医はネットで検索できます。
（ニュース和歌山/2022年1月22日更新）
