《回答者》
外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 寒い季節になると一気に運動量が減少し、水分を取る量も減っていきます。さらに外出を控える状況下で食事量に変動があると、毎日あった排便が2〜3日に一回になることがよくあります。便秘には明確な基準がなく、「排便が数日に一回しかないけれど、ちゃんと便が出ているから自分は便秘症ではない」と思っている方も多いようです。

 ところが、何日も排便できずにいると、2〜3センチの粘土状の便がくっつきあって肛門をふさいでしまい、気張ってもなかなか出てこなくなります。洋式トイレではしっかり踏ん張っていきめないことも多く、いっそう排便が難しくなります。便秘のまま時間が経過すると、腹部膨満や肛門の強烈な不快感で苦しむ方がでてきます。こうなってしまうと下剤だけでは容易に出せませんので、救急病院のお世話になるケースも見受けられます。

 普段から便が硬めの方やコロコロ便の方は、2日間排便がなければ、浣腸か下剤を使用し便を出しましょう。また、下剤を服用しても出ないことがありますので、浣腸を常備しておくことをおすすめします。苦しい思いをしないため、便は毎日出すようにし、冬場でも運動と水分補給を心がけましょう。

(ニュース和歌山/2022年1月23日更新)