臭〜いツバにご用心

 

 お城の動物園には、一昨年12月に長野県の信州塩尻農業公園チロルの森から来たペアのアルパカ、メスのアルルとオスのパルルがいます。

 赤がアルル、緑がパルルと、首輪で簡単に見分けられます。髪型にも違いがあり、アルルはフワフワ、パルルはパーマのようなクセ毛です。

 

 2頭はとても仲良しで、互いの姿が見えなくなると、「どこへ行ったの?」と切なげな声を出します。この鳴き声、見た目が似ているヒツジの「メ~」とは違い、「フ~ン」と少し気の抜けた高い音です。飼育員も初めて聞いた時は、あまりのかわいらしさに驚きました。雨の日は小屋の中で過ごすため姿が見えにくいですが、耳を傾けると、かわいい声が聞こえてくるかもしれませんよ。

 そんな彼らですが、身を守る手段を隠しています。それは「ツバ攻撃」! 怖いと感じた時や怒った時に、めちゃくちゃ臭いニオイを放つツバをかけます。一度飲み込んだ食物を胃から口へ戻し、もう一度かんで飲み込む「反すう」という行動で胃液に近くなったツバは、ニオイが強烈です。

 仲の良い2頭ですが、時にケンカすると互いにツバをかけ合います。飼育員が巻き込まれることもしばしばで、落ち込んでいる姿を見かけたら、アルパカのツバをかけられてしまったのかも?

今回の担当:西出尚輝さん

 予備動作として、耳を後ろに倒し、唇が上に開きます。そのような行動を見たらゆっくり離れてくださいね。

 和歌山県に新型コロナウイルスのまん延防止措置が出たため、残念ながらアルパカを身近で感じられるエサやり体験は現在、中止しています。措置期間終了後の再開を楽しみにお待ちください。 

(ニュース和歌山/2022年2月12日更新)