《回答者》
脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院
亀井 一郎院長

 それは、「もやもや病」という病気かもしれません。

 首から脳へは、頸動脈という太い血管がつながっています。もやもや病では、この頸動脈が脳に入るところで徐々に狭くなり、やがて詰まってしまいます。これでは脳は血流不足となるため、正常な脳動脈の代わりに、頭蓋底部から脳内に向けて髭のような無数の細い異常血管が生えてくるのです。その様子がもやもや~っと煙のように見えるので、「もやもや病」という名称になりました。

 もともと細いもやもや血管は、過呼吸や深呼吸(運動や熱いうどんをフーフーする等)によってさらに細くなり、脳が乏血状態をきたします。その結果、手足の麻痺やしゃべりにくいといった失語などの脳の症状が出るのです。このような病状は子どもさんのもやもや病にみられるものですが、成人のもやもや病では脳出血で発症することが多くなります。

 諸外国に比べて日本人に多く、世界的にも〝Moyamoya disease〟と表されます。
 
 治療は、頭皮の血管を脳血管に移植する手術が行われます。そうすることによって脳血流を増やすのです。効果は、特に子どもさんの場合、劇的です。まずは、脳神経外科の専門医を受診してください。

(ニュース和歌山/2022年2月27日更新)