《回答者》
◆脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院
亀井 一郎院長

 「めまい」と「立ちくらみ」は違うものです。「めまい」の症状としては、▽グルグルと目の前の景色や天井が回る▽頭の中がグルグルと回る感じがする▽突然頭がファーっとする ▽フラフラして歩きにくい、などがあります。ものが二重に見えることを「めまい」と訴える患者さんもいますが、これは別の意味で精査の必要があります。立ち上がったときにクラクラッとしたり、目の前が暗くなるのは「起立性低血圧」です。

 めまいには、つらいけれども命に別状のないものがあり、①良性発作性めまい②メニエール病③内耳性めまい、などが挙げられます。なお、各項については機会を改めてご説明します。

 一方で、怖いめまいもあります。まず、突然のめまいとともに激しい頭痛、嘔吐を伴うときには、くも膜下出血の可能性があります。命に関わることもありますので、一刻も早い救急搬送が必要です。また、ふらついて用事ができない、左右どちらかに寄って行きまっすぐ歩けない、思うところに手足が行き届かない、ろれつが回らないなどの症状が数日あるいは何週間、何カ月間も続く、もしくは症状がひどくなってくる場合は、脳腫瘍が疑われます。ためらわずに、即座に脳神経外科を受診してください。 

(ニュース和歌山/2022年3月26日更新)