5月17日は「反同性愛嫌悪、反トランス(身体と逆の性意識)嫌悪の日」。和歌山では性的少数者の自助グループ「チーム紀伊水道」がJR和歌山駅前に立ち、生の声を届ける。衛澤創(えざわ・そう)代表は「まだまだ『自分たちは怖くないよ』と声をかける段階。正しい知識を広めていきたい」と話す。
紀伊水道は、性同一性障害者や同性愛者ら「セクシャル・マイノリティ」と呼ばれる性的少数者が集い、相談できる場をつくろうと2004年に発足。隔月、和歌山市で当事者やその家族、関心を持つ人の交流会を開くほか、講演会やイベントを重ね、理解を広げようと活動している。
衛澤代表は、女性の身体に生まれたが男性の意識を持ち、手術や治療を重ね、現在は男性として生活する。10年間に渡ってチームを運営する中、当事者以外からの相談や参加が増えてきた。「『職場の人や友人に当事者がいるが、どう接すればいいのか』と悩んでいる人には状況を聞いてアドバイスします」
現在、13人に1人がセクシャルマイノリティに該当するとの調査結果もあるが、認知度は高くない。「本当はまちなかで必ずすれ違っているはず。自分に関係がないと思わず関心を持ってほしい」と望む。
世界保健機関(WHO)の精神疾患リストから同性愛が削除された1990年5月17日にちなみ、あすは全国で啓発活動が行われる。紀伊水道も午前10時から、メッセージ発信やリーフレットの配布、意識調査などを実施する。交流会は偶数月の日曜に開催しており、次回は6月14日、同市三沢町の中央コミュニティセンター。午後1時〜5時で出入り自由。500円。希望者はメール(kii.suidoh@gmail.com)。詳細はチーム紀伊水道HP。
写真=衛澤代表らが街頭に立つ
(ニュース和歌山2015年5月16日号掲載)