《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方 常夫院長
慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%以下に低下する、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が三カ月以上続く状態をいいます。重症度に応じて5つのステージに分けられ、その指標となるのが推算糸球体濾過量(eGFR)です。GFRの低下速度を評価することで、早期から今後の腎機能低下を予測し、治療に役立てることができます。
ご相談者はいま、糖尿病と高血圧があり、タンパク尿が(3+)、腎機能も少し低下がみられるとのこと。過去にも腎機能の低下があったようですが、それは過度の減塩と脱水症状による一過性のものであった可能性があります。しかし、現在は腎専門医を受診し、糖尿病性腎症(腎生検は行わず)で加療され、その結果、徐々に血圧、HbA1cも安定してきました。タンパク尿も微量アルブミンが認められる程度で、腎機能低下も改善しています。今後も、適切な減塩、適切な血圧、適切な運動、栄養状態、体重、筋力の維持を心がけましょう。
CKDの患者は日本に1330万人(20歳以上の8人に1人)と推定され、国民病ともいわれています。タンパク尿など腎臓に不安のある方は、主治医とよくご相談ください
(ニュース和歌山/2022年5月28日更新)