《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
下肢静脈瘤とは、足の静脈血管がコブ状にふくらむ良性の疾患です。急いで治療しなくても健康を損なうことはないのですが、自然には治りません。進行に伴い、だるさやむくみが日常的となり、就寝時のこむら返りなどが起きます。さらに進行すると、皮膚が黒ずみ硬く変化し、潰瘍になることもあり、生活に支障をきたします。
静脈瘤は遺伝的要因によって発症率が高くなります。また、発症しやすい人の環境因子には「立ち仕事」があり、例えば調理師、理美容師、警備員、デパート販売員、スーパーのレジ係などが挙げられます。立ちっぱなしで動かないでいると、血流のポンプ役である足の筋肉が働かず、静脈血管内の血液がうまく心臓に戻れずに血管内にたまり、コブになってしまいます。同様に、座りっぱなしのデスクワークにもその傾向はみられます。その他の原因として、肥満、妊娠・出産、加齢などがあります。
予防法は、時間をみつけて足を動かす、足を高く上げる、日常的に運動するなどを心がけます。ただ、すでにむくみやかゆみの症状があれば放っておかず、専門医に相談することをおすすめします。重症化すると、治療にかなりの時間がかかりますので注意しましょう。
(ニュース和歌山/2022年5月28日更新)