6月のはじめ、お天気のややこしい合間を縫って、串本町の紀伊大島・樫野崎で、新曲のレコーディングとCDジャケットの写真撮影を行いました。デビュー以来、歌い続けてきた「ふるさと癒やし歌」は、現地での録音、撮影にこだわっています。歌の舞台には、その歌のエネルギーがあるからです。景色や空気、におい、音…、五感を刺激する全てが歌にプラスされるように感じます。自然体の私だから、好むのかもしれません。ナチュラルな生き方をすればするほど、その人本来の輝きが増すのではないかと信じています。
そういう意味で、樫野崎はいろんなエネルギーを感じる地でした。ここで収録した歌は『樫野崎の絆~カイロスの星』。本州最南端の串本町から打ち上げられる日本初の民間ロケット「KAIROS(カイロス)」のテーマソングで、愛し合う二人の絆、家族の絆、トルコと日本の絆を、青い地球を背に宇宙へ飛んでいく「カイロス」に託した壮大なラブバラードです。
串本町のご協力で、録音はトルコ記念館で行うことができました。エルトゥールル号の展示品に囲まれながら、東京のトルコ文化センターから提供いただいた民族衣装に身を包んでのレコーディングと撮影は、絆への思いが高まらないわけがありません。
すべてが終わり、衣装のままトルコ記念館から出たところ、病気のため13年前に東京から転地してきた88歳女性に声をかけられました。「この自然の中で暮らしているうち、体の調子が良くなった」と話してくれました。この日の夜、泊まった島内のリゾート大島というキャンプ場のコテージで夜空に浮かぶ星や雲を眺めていると、「そういうこともあるんだ」と自然に納得してしまう自分がいました。
この楽曲は、日高川町の道成寺で収録した『恋の川 星の川~安珍清姫七夕伝説』、すさみ町の『紀州♪紀の国♪癒やし歌』と3曲入りCDとして、7月7日に県内で先行発売します。楽しみにお待ちください。
演歌歌手 宮本静(第4週担当)
(ニュース和歌山/2022年6月25日更新)