良い街には、良いクリエイターが活躍できる土壌がある──。私はそう感じます。今回は和歌山の自然、歴史、建物など、その土地らしさを生かし、地域の価値を上げている3人を紹介します。
①ラブラックカフェ・源じろうさん
土地固有の風土・文化を読み解いた店づくりを行っています。自らの手でアートな空間にリノベーションした飲食店7店を経営しており、特に有田市のラブラックカフェは県外雑誌によく掲載されています。窓からは大海原が見え、県発祥の蚊取り線香の倉庫を生かした空間が好評です。県外の知人ほか、海外のデザイナーたちも連れて行きましたが、皆さまが絶賛する、和歌山の誇れる場所です。
②ゲストハウス リコ・宮原崇さん
和歌山市の大新公園周辺に店が増えているのは、2015年に宮原さんがつくったカフェバーを併設するゲストハウス、リコがきっかけと言っても過言ではありません。築53年の建物を生かしたデザインだけでなく、宮原さんの包容力もあり、若者が集まるコミュニティ拠点にもなっています。昨年から和歌浦活性化イベント「明光ワンダーストリート」を企画し(今年は11月19、20日)、和歌浦の空き家活用にも尽力されています。
③アイランドストリーム・平田毅さん
シーカヤックで日本一周後、湯浅町を拠点に海外カヤック旅をしながら、無人島一日カヤックツアー、海からしか行けない海岸線や洞くつを巡るツアーなど、海の素晴らしさ、自然文化を伝えています。10月15、16日は親子シーカヤックキャンプ教室を開催。また、和歌山の文化を育んだ黒潮をたどり、紀伊半島と日本、太平洋のつながりについて考察した書籍『黒潮ストリート』を出版しています。
どなたもセンス良く本質的であり、若者も地元に誇りを持てる取り組みを行っています。このような方はこの3人だけではないので、「和歌山のクリエイター30人」のようなリストができれば面白そうです。近年、国は「官民連携まちづくり」を推奨しています。メリットとして〝有能人材の活用〟や〝魅力的なデザイン〟を挙げており、今後はこれらの方々とも連携が進んでいけばと思います。
WEBメディア「ワカヤマデイズ」運営 武田 健太(毎月第3土曜担当)
(ニュース和歌山/2022年9月17日更新)