紀の川市きよ農園 和歌山特産生かし

 吸水性、速乾性、通気性に優れた農家向けの「ファームマフラー」を紀の川市のきよ農園が開発した。発案した辻信好さん(46)は「33㌘とフェイスタオルの半分の軽さで、休憩中に木にかけておけばすぐ乾く優れモノです」と自信満々だ。

 繊維業界で20年、製造企画や営業をした辻さん。5年前、母親の手術を機に実家の農業を手伝い始め、転身した。猛暑で汗をかく機会が増え、いろいろなタオルを使ううち、農作業中の汗ふきに特化したタオルをと考えるように。「これまで生地が2種類しかなかった日本手ぬぐいに着目し、使いやすさとおしゃれさを大切に、生地を糸から考案しました」

 太さの異なる糸3本を、風が通る特殊な形状により合わせることで、熱がこもりにくく、しっかり汗を吸収しながらもさらりとした肌触りを保つ。これを地元の織布会社が1日に20㍍しか作れない機械で手織りする。また、和歌山特産の備長炭パウダーを糸に練り込み消臭効果を、繊維を除虫菊エキスに漬けて防虫効果を加えた。

 7月にクラウドファンディングで売り出したところ、農家だけでなく、屋外で働く人やスポーツ選手ら881人から280万円以上が集まった。「備長炭の遠赤外線効果で、冬は温かさを感じてもらえます。農業のおともに」と声を弾ませる。

 1100円。詳細はきよ農園(https://kiyofarm.base.shop)

(ニュース和歌山/2022年11月5日更新)