怖さ:3
町の妖怪
出没地域:和歌山市

 和歌山市のAさんは会社の休憩時間、喫煙所での一服が楽しみだった。そこにはいつも先客がいた。部署の違う同僚のYだった。愛煙家同士、2人はすぐに打ち解けた。しかし、ある日を境にYは姿を見せなくなった。会社を辞めたと残念がったAさんは帰宅途中、急にタバコが吸いたくなった。公園でマッチを擦ると、火が大きく燃え上がった。火の玉のように宙に浮いたその中にはYの顔があった。その翌日、会社でYの訃報を聞いた。この世に未練を残して亡くなった魂は「迷い火」となり彷徨うという。Yさん、Aさんに何かを言いたかったのだろうか?

 

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(ニュース和歌山/2022年11月19日更新)