和歌山市には、市民に広く親しまれている6つの海と3つの山があると私は思っています。
海は北から、加太、磯ノ浦、雑賀崎、田野(浪早)、和歌浦(片男波)、浜の宮、山は和泉山脈、高津子山、名草山です。和泉山脈は雲山峰や大福山など複数の山が連なっています。このほかにも自然豊かな友ヶ島、和歌山城、紀伊風土記の丘などを散策している人もいます。
一方、海南市の海岸では冷水浦や塩津、下津大崎などで地域活性化に取り組まれています。また、紀美野町の貴志川は気持ちいい清流です。当コラム担当の一人、和歌山大学・地域連携専門職員の増山雄大さんが7月2日号で書かれていたリバートレッキングに僕も参加し、自然と戯れることができる貴重な場だと感じました。
県外の〝自然豊かな日常の風景〟に目を向けると、京都市や神戸市は、まちの周囲にある低山歩きが暮らしの一風景になっています。海沿いでは、神奈川県の鎌倉・湘南エリアや、大阪府泉南市の泉南ロングパーク、兵庫県の淡路島西海岸エリア、広島県尾道市の尾道エリア、宮崎県宮崎市の青島ビーチパークが注目されています。
特に鎌倉エリアは、テレビ・雑誌を問わず全国メディアで頻繁に取り上げられ、観光客だけでなく、移住希望者にも人気があります。東京から1時間30分前後で行くことができ、歴史文化と海や山の自然環境の美しさを生かした街として注目され続けています。大阪から同じ時間で移動できる立地で、歴史や自然がある紀北周辺は、鎌倉を見習う点があると思います。加えて、関西で太平洋を抱く県は和歌山だけなので、相模湾沿いのにぎわいは注目だと感じます。
時代が進展するほど、人々は自然を含めた豊かな環境を求めるようになります。和歌山ならではの日常の風景、その美しさを次世代に引き継いでいきたいです。
WEBメディア「ワカヤマデイズ」運営 武田 健太(毎月第3土曜を担当)
(ニュース和歌山/2022年12月17日更新)