漫画家、マエオカテツヤさんによる人気連載「妖怪大図鑑」が8年目に突入しました。今回は新春特別編として、妖怪の代表的存在、河童を特集。地域によって様々な呼び方で伝わる和歌山県内の河童たちを紹介します。
怖さ:2
出没地域:田辺市・中辺路町
川の妖怪
以前、ラジオ番組の収録で田辺市本宮町の近露を訪れたとき、地元に住む老人、Eさんにこんな話を聞いた。山に暮らす農家は水が命。ゆえに昔からこの辺りには農業用のため池がそこかしこにあった。Eさんが子どものころ、ため池に近づくことを固く禁じられていた。池の底に「ゴウライボーシ」がいて、大切な水が抜けないように栓をしているからだそう。もし約束を破ってため池に入り、泳ぎでもしようものなら、怒ったゴウライボーシに水底へ引きずり込まれ、尻子玉を抜かれると聞かされていた。もちろん、水難事故防止の戒めであろうが、河童がため池に栓をしているというのは初耳で、その土地の暮らしが伺えて面白い。
(ニュース和歌山/2023年1月3日更新)