ロシアの侵攻を受けるウクライナ。発電施設への攻撃で停電し、暖房器具が使えず、厳しい寒さに苦しむ人たちの助けにと、和歌山市本脇地区の有志が「ウクライナへカイロを贈る会」を結成し、昨年12月から募金運動を展開しています。メンバーの久岡美喜子さん(78)と木村八也さん(82)に聞きました。(文中敬称略)
電気がなくても
─活動のきっかけは。
久岡「昨年11月初め、ロシア軍から発電所を攻撃されて電気が止まり、戦禍と極寒に耐えるウクライナの様子をテレビのニュースで知りました。真っ暗な中、体を寄せ合って震えている姿を見て、自分たちに何かできないかと考え、電気がなくても温まることができる使い捨てカイロを送ろうと思いつきました」
木村「久岡さんの呼びかけに、これまで体操や手芸などを一緒に楽しんできた本脇地区の約30人が賛同しました。メンバーそれぞれが地区外のお友達にも声を掛け、今は和歌山市内約100人に輪が広がっています」
──これまではどんな活動を?
久岡「12月3日に和歌山城ホール前、17日にJR和歌山駅前で募金活動を行いました。また、協力してくださる方それぞれが所属する会やサークルなどで呼びかけてくれ、12月末までに約60万円が集まりました」
木村「街頭で募金箱を持って立っていると、皆さん、『運動、頑張ってください』との言葉と共に寄付してくれました。私たちと同じで、『ウクライナの人々ために何かできないか?』との思いを持っていたんだと感じました」
春と平和願って
──今後は。
久岡「1月中ごろまでに1万個を、埼玉県で暮らしているウクライナ人に託して、現地へ贈ってもらいます」
木村「その後も活動は続けます。ウクライナの冬は日本より長く、寒さ厳しいと聞きます。引き続き、皆さんに支援をお願いし、少しでも多く届けたいです」
久岡「最初はカイロ3000個を贈ろうと始めた活動でしたが、予想を大きく上回る協力をいただき、今は3万個を目標にしています。それでも3万人が使えば、たった1日分です。微々たるものかもしれない。ただ、少しだけだとしても、温まってもらいたい。1日も早くウクライナの皆さんが元の生活に戻れる日が訪れるよう、カイロと一緒に真心も届けばと思います。この冬を乗り越えれば、現地の人たちに暖かい春と平和が来る──、そう願っています」
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寄付の詳細は久岡さん(090・4491・6274)。
(ニュース和歌山/2023年1月7日更新)