和歌山県レッドデータブック改訂

 絶滅が心配される県内の動植物をまとめた和歌山県レッドデータブックが改訂された。掲載した生物は1655種と10年前から681種増加。県自然環境室は「希少種が置かれている状況を知ってもらうのが目的。環境保全の意識が高まるきっかけになれば」と願っている。

 県はレッドデータブックを2001年に出版し、12年に改訂版を出した。今回は16年から7年かけて調査してきた内容をまとめた。これまでなかった「その他無脊椎(せきつい)動物」と「菌類」を調査分野に追加した。

 掲載した種の合計は、01年が857種、12年が974種、22年が1655種と大きく増えた。このうち、県内で絶滅したと考えられるのは、前回の39種から49種へ増加。かつては和歌浦湾や田辺湾にいたが、1972年以降、50年間確認されていないキス科の魚、アオギスも加わった。

 絶滅の危機にひんしている「絶滅危惧(きぐ)Ⅰ類」も92種増え506種に。以前は紀の川や有田川ほかにいたシオマネキや、ミカンの原種、タチバナなどが含まれる。

 今回の改訂版では、「生物多様性保全上注目すべき地域」として、和歌山市の加太沿岸域や和歌山城公園、岩出市の根来山げんきの森、紀の川市の平池周辺など、貴重な動植物が多いエリア37ヵ所の解説も掲載した。内容は県のHPで見られるほか、2月に冊子版を発行する。

(ニュース和歌山/2023年1月14日更新)