和歌山県観光連盟 担い手養成講座
和歌山県内の歴史や文化、自然を伝えながら、楽しい旅を手伝う案内人、紀州語り部。高齢化が進み、後継者が不足する中、県が2025年までの3年間を観光ダイヤモンドイヤーと位置付けるのに合わせ、県観光連盟は2月、担い手の養成事業を始める。
連盟に登録するのは24団体と個人38人の計310人で、平均年齢は70代。コロナ禍で観光客が減少し、活躍の機会や新人が経験を積む場の確保が課題となっている。
これまでは各団体が担い手を募集し、育成してきた。28人が所属する熊野古道紀伊路語り部の会は、大阪府阪南市の山中渓から上富田町の稲葉根王子までと活動エリアが広く、10コースを設定して案内する。19~21年に主催した熊野古道ツアーの参加者から勧誘し育成。現地研修(写真)を経て昨年、新人5人が1つのコースを案内できるようになった。柴田雄蔵会長は「歴史や自然、和歌など各自の得意な分野を生かし地域の価値を伝えられるのが魅力。お客さんと一緒に自分も楽しんでほしい」と声を弾ませる。
一方、和歌山城や養翠園に常駐し、訪れた人に解説するボランティア活動が、新人育成につながっているのが和歌山市語り部クラブだ。2~3年ごとに人材を募集。昨年は20人が応募し、研修を経て13人が案内を始めている。丸毛光明会長は「地元の素晴らしいものを語る人を育て、『和歌山に生まれて良かった』と思える人が増えれば」と話す。
事業の第一弾となる講演会(座学編)は2月26日㊐午後1時半、県民文化会館3階で。1部は熊野、2部は高野山をテーマに、国際熊野学会代表委員の山本殖生さんや神社仏閣を手がける堂宮大工の尾上恵治さんらが話す。3部は熊野古道中辺路の語り部2人がやりがいや面白さを解説。無料。希望者は氏名、住所、電話番号、メールアドレス、「和歌山市会場」と書き、県観光連盟へメール(info@wakayama-kanko.or.jp)。1月30日締め切り。同連盟(073・422・4631)。なお、23年度に現地研修と各団体とのマッチング会を行う。
(ニュース和歌山/2023年1月21日更新)