提案者:衛澤 創(性的少数者の自助グループ「チーム紀伊水道」代表)

16012305_toilet
 2015年はLGBT(性的少数者の略称)ブームと言える年でした。雑誌や新聞で特集が組まれたり、同性愛を題材としたドラマがいくつか放送されたり。同性カップルに結婚に相当する関係を認めるパートナーシップ条例が複数の街で施行されました。

 性的少数者と呼ばれる多様な性の人たちが感じる生きづらさは、「性を分ける」ことから始まる場合がとても多いのです。男性と女性にきっぱり分けて男性はこちら、女性はあちら、性別欄は男性か女性のいずれかを選びなさい、男性は女性と、女性は男性とつがいなさい、という「性を分ける」ことで生み出される強要。そうではなく、「性を分けない」という選択ができる街にしてはどうでしょうか。

 例えばトイレ。男性用はがらがらに空いているのに女性用は長蛇の列、という場面に出くわしたことがない人はいないでしょう。そこで、最近増え始めた「だれでもトイレ」は、男性、女性、「それ以外の性」の人、介助が必要な人も不要な人も、だれでも使えるトイレです。公衆トイレがこれなら混雑も防げますし、「それ以外の性」の人がトイレに行きづらくて排泄(はいせつ)の障害を患う危険を減らすことができます。

 例えば制服。男性用、女性用と分けず、いずれかを選べるようにすれば、スカートをはきたい男性(そんなやついる訳ない、なんて思っていませんか?)、ズボンをはきたい女性、それ以外の理由を持つ多様な性の人たちのだれもが、制服という規定の中に収まりながら、したくもない格好をせずに済みます。

 このように、自由にトイレができ、身体を損なう危険や着たくない形の制服を無理強いされる苦痛がない、男性も女性もそれ以外の性の人も、等しく安心して住むことができる街は、きっとだれにもやさしく住みやすい街です。まだ他の街がなしたことのない「性を分けない」という選択。これはきっと和歌山を活気づけて輝かせるでしょう。

この法案にご意見を

 「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も明記ください)。次号以降掲載致します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。
 なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。
【応募先】
編集部「よくする法案」係
郵送=〒640・8570 ニュース和歌山
FAX=073・431・0498
メール=nwtoko@nwn.co.jp

 

法案への読者の声

1月16日号掲載 防災リーダーに女性を配置

 各自治会の防災組織のリーダーに女性を必ず加えるようにすれば、女性の声を受け止め反映し、様々な準備もできるでしょう。(和歌山イコール会議防災部会長・市場美佐子)

sansei 避難所での女性のプライバシー問題は深刻だと聞いたことがある。「わがまま」でかたづけられることのないよう、女性ならではの視点で整備されていく必要があるように思う。特に経験を積んだ女性の感覚こそが、災害の緊急時に、より生かされるのではないだろうか。(主婦 匿名・30歳)

 男性には言えない女性としての悩みや細かい心づかいなどを考えると、防災リーダーに女性が配置されることは、我々女性にとって大変喜ばしい発想だと思います。とは言ってもリーダーをお願いするのは、特にいなかでは至難ではないでしょうか。県内で1ヵ所でも多くの自治会が法案のようになっていけばよいのですが。(無職 匿名・80歳)

 私は男性なので、災害から女性や子どもを守るのは男の仕事だと思っていました。しかし、それでは被災された女性が安心して過ごせるような細かい気配りはできない。防災リーダーには女性も配置して、男女そろっていつか来るであろう災害に備えていってほしいと思います。(会社員 匿名・36歳)

hantai 女性は急場でもどこか冷静なところがあるため、仕事がさばける分、逆に冷たく感じてしまう。人間、ダメージを受けているときに、たとえ相手がそうと意識していなくても、ベルトコンベアの上を流れる荷物のように扱われたと感じる事が一番つらい。そこは男性の、不器用でも必死な優しさの方があとからしみるのではないか。要は、受ける側の気持ちの問題ではあるが。差別的な言い回しをするなら、3歩下がって満面の笑みで見守るのが、そういう時の女性の役割だと思う。(無職 匿名・51歳)

 

12月26日号掲載 内川を第3の交通手段に

 sansei 東京や大阪など大都市ではすでに水上バスや水辺クルージングなど、内川を利用した交通・観光が成功している様子。和歌山でもぜひ実現してほしい妙案の1つだ。かつての内川は貯木場などもあり、またドブ川と化して悪臭を放ち、一時は大変なことになっていた。今は関係各所の方々の努力のおかげで徐々に美しい内川を取り戻しつつあるようだが、生活排水の抜本的な浄化策など本格的な取り組みはまだまだこれからのように思われる。美しい内川を取り戻し、本案にあるように観光・交通として使えるようになれば、和歌山市にもう一つ新たな大きな魅力が生まれ、これほどうれしいことはない。将来は屋形船でおいしい料理を味わいながらゆったりと川遊びしたり、紀州おどり「ぶんだら節」の折には、水上ぶんだら節なんていうのも風情があっておもしろいのでは。また、クリスマスシーズンには、内川をライトアップして、イルミネーション・クルージングなどなど夢はいっぱい。一日も早い実現をお願いしたい。(塾講師 中川祐一・57歳)

 本法案は、市内の活性化に貢献できる良い案だと思う。ただし、内川を清掃する前にその源をなす紀の川の改善が必要ではないだろうか。一市民として言わせてもらうと、お世辞にも紀の川がきれいだとは到底思えない。河川敷のごみ拾いも立派ではあるが、さらに深い水質改善にも努めるよう、私たち市民は行政などに働きかける必要がある。現在の行政にそういった動きがあからさまに表れていないのであれば、なおさらそうすべきだと思う。(契約社員 川﨑健太・33歳)

(ニュース和歌山2016年1月23日号掲載)