提案者:福島寿美(消費生活アドバイザー)

 私たちは自治体で相談業務をすることが多く、消費生活にかかわる色々な活動を行い、環境保全や防災にも取り組んでいます。所属する日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の自主研究会で以前、非常持ち出し袋を調査研究し、非常食を中心に中身を検証、災害への備えをまとめたことがあります。

 ただ、調査は東日本大震災前で、津波を想定していませんでした。南海トラフ地震による津波が懸念される地域に暮らす者には、どんな備えが必要でしょう。

 津波に襲われた時は、いかに「命」を確保するかが最重要課題です。命あっての物種。非常食も安否確認も、命の確保ができてからの話です。

 では、最低限命をつなぎとめるには、何が必要でしょう。津波の一番の恐怖はおぼれること。数10㌢の水でも転んで起き上がれなければ、おぼれます。その手立てを講じることが、命の確保につながります。

161105_jacket 高台に逃げるのがベストですが、普段でも30~40分かかり、避難中に水に襲われる地域もあります。高齢者や幼児だと、避難場所がすぐ近くでも危険です。

 そこで私は、海岸線から20㌔以内にあるすべての家庭、会社、公共施設などにライフジャケット常備を提案します。条例で義務づけ、違反者に罰金を科します。

 一方、基金を創設し、公費負担をベースに企業などから寄付を受け入れて財源を確保し、市民の経済的負担を軽減し、定期的な点検や使用説明会を自治体が主体となって行います。

 ライフジャケットをどれにするか。ヒモを引くと空気が入る手動膨張式ベストは小さいですが取り扱いに注意を要し、浮力材に発泡スチロールなどを使うフローティングベストは、装着は簡単ですが保管に場所を取ります。設置場所に応じて使い分けが必要です。

 水にのまれてもライフジャケットで呼吸を確保できれば、次の一手を考える余裕が生まれます。「命」をつなぎとめる可能性が高まるのです。世界津波の日のきょう、考えてみませんか。

(2016年11月5日号掲載)

 

この法案にご意見を

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郵送=〒640・8570 ニュース和歌山(住所不要)/FAX=073・431・0498

メール=nwtoko@nwn.co.jp

ニュース和歌山編集部「よくする法案」係

 

法案への読者の声

10月22日号掲載「和歌山を妖怪王国に」

 

sanseiorenzi ◎和歌山出身の有名な方々にたくさん地元をPRしてもらいたい。その有名人の中に「ぬらりひょん」がいるとは心強い。今、日本中にたくさんいるゆるキャラが100年、200年後まで残っているかは分からないが、妖怪のキャラクターは確実に残るはず。和歌山=ぬらりひょんということを全国に知ってもらえるよう頑張りたい。(会社員 匿名・37歳)

 

hantai

 ◎今、妖怪ウォッチブームだからだろうが、ブームはブーム。妖怪王国はどうかと思う。しかし、冥途カフェは良い。楽しんでいるんですね。(主婦 木本いづみ・55歳)

 

 

 

10月8日号掲載「投票棄権者に罰金」

sansei

 ◎色んな意見を読ませて頂き、「これはマズい!」と思いペンをとった。ここ数年、深く政治にかかわった。政治不信やあきらめ、無関心などなど書かれているが、その原因が投票率の低さにあることを理解してもらいたい。例えば、市民の投票率が高くなればなるほど、政治家は市民を無視した政治はできなくなる。もっと言えば、主婦層の投票率が高くなれば、出産や育児など女性の気持ちを考えた政策になる。学生の投票率が上がれば、学生に有利な政策になる。そして政治家も「辞めさせられるかもしれない」と危機感を持ち、市民のために頑張ってくれるようになる。国や県から独立し、市民のための政治をしやすくなる。罰金はどうかと思うが、「和歌山市をよくしたい」と考えるなら、投票率を上げることが一番の特効薬だ。(フリーカメラマン 末藤慎一朗・44歳)

 

hantaiblue

 ◎国民の生活を左右する選挙。諸手を挙げて行かなければいけないことは百も承知である。しかし、例えば高齢者は投票所が遠距離ゆえに棄権をすることが多々あるのではなかろうか。選挙は自らの意思で参加するのであって、「罰金をとられるから行く」、こんな理不尽なことはないと思う。(無職 匿名希望・80歳)

 

(2016年11月5日号掲載)