今週月曜(8月27日)、突然の訃報に驚いた。『ちびまる子ちゃん』の作者、さくらももこさんが53歳の若さで旅立った。手掛けた漫画やエッセー、ムック本など全てそろえるほどファンだった▼まさに「まる子世代」で、小学生のころ、少女漫画雑誌『りぼん』の連載を読んでいた。登場人物の口癖「いけずぅ〜」や「ズバリそうでしょう」を喜んで真似ていた▼『ちびまる子ちゃん』は家族の日常やユニークなクラスメートを描いたイメージが強いが、私が心ひかれていたのは、幻想的な絵の世界観だ。『りぼん』の中表紙が毎月楽しみだった。空を泳ぐ虹色のグッピー、動物と月がちりばめられた曼陀羅、人魚姫と貝殻の中に隠れるまるちゃん…。さくらさんの小さな生き物や自然への温かな眼差しが注がれており、子どもながらに「世界は美しいものであふれている」と教わった▼今後もテレビアニメは継続されるとのこと。一ファンとして、さくらさんが絵に残した世界観が、今の子どもたちに伝わればと願う。 (秦野)

(ニュース和歌山/2018年9月1日更新)