岩出市初の児童発達支援センターの記事を担当した。筆者には発達障害を抱える小学1年生の息子がいる。市立の幼稚園に通いながら週何度か療育施設に通所し、現在は支援学校に在籍している▼3歳までが本当に大変だった。言葉が出ず、集団になじまず、音に過敏に反応した。入園した私立の幼稚園では「発達には問題ない。話さないのはお母さんの育て方のせい」と言われ、自分を責めた。霧の中を歩いているような感覚に何度も襲われた▼息子の聴覚過敏は強くなり、音におびえ外出できなくなった。転園を決意し、直後に自閉症だと診断された。4歳になる直前だった▼わらにもすがる思いで療育施設を訪ねた。先生は「今までよく頑張ったね」と子と親を褒めてくれた。寄り添ってもらえる心強さと安心感に、張りつめていた糸が切れた▼専門家に相談し、子どもの特性を理解することで、他人と比べず、子どもの成長を喜べるようになる。つらいときには声をあげて支援を求めてほしい。 (井本)
(ニュース和歌山/2019年3月2日更新)