このマーク、何かご存知? まもなくデビューする「自然災害伝承碑」の地図記号だ▼昨夏の西日本豪雨で大きな被害が出た広島県坂町では、111年前に起きた大水害の被害を伝える石碑があったが、住民の間でうまく伝承されていなかった。国土地理院はこれを教訓に、全国の災害伝承碑を地図に載せると発表した▼先人からの教訓を防災に生かそうとの取り組み、和歌山県内では東日本大震災と紀伊半島大水害があった2011年に始まっている。県立博物館施設活性化事業実行委が石碑に加え、古文書や口伝えについて調査。14年以降は調べた市町村で現地学習会を開き、成果を小冊子にまとめて全戸に配布してきた▼伝承碑の地図記号は、6月からウェブ版「地理院地図」、9月から紙の「2万5000分の1地形図」に掲載される。ウェブ版は記号をクリックすると、過去の災害情報を読めるようになる。小さな地図記号に詰まった先人のメッセージ、多くの人に届きますように。 (西山)
(ニュース和歌山/2019年4月13日更新)