「平成」は、昭和の高度経済成長が終わり、バブル崩壊、大規模災害の連続と、まさに激動の時代となりました。高齢化・人口減少、諸外国の急速な経済成長など、日本を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。
しかし、私たちの周りにある様々な社会の制度や仕組みは、長年変わっていないもの、戦後すぐにつくられた制度のまま、というものが少なくありません。もちろん、優れた制度や仕組みは今後も残していけばいいのですが、中には地域を取り巻く環境の変化に十分に対応できず、成り立ちにくくなっているものもあるのではないでしょうか。
これまで地域の課題解決は、とかく行政や議員のみなさんなどに陳情すればなんとかなる、というような空気感もありました。しかし行財政が厳しさを増す中、地域で暮らす住民のみなさん自身も相応の取り組みをしなければならない、そんな形に変わり始めています。
平成の時代はNPOやボランティアなど、住民のみなさんによる公益的な活動が脚光を浴びました。令和の時代はそうした動きを一層強化し、地域の課題について、行政、議会、住民、各種事業者のみなさんなど、様々な主体が連携・協働しながら考え、必要に応じて制度や仕組みを変えていく動きがより重要になると考えます。それは現在、国が例示している「共助社会」の考え方にも通じますし、何より地域のことを地域の人たちが考え、実践することにつながります。
和歌山県内でも様々な分野で、住民のみなさんと行政などとの連携・協働による新しいまちづくりの事例が多数蓄積されています。そこに暮らす人自身が、時には行政や事業者のみなさんと手を携え、協調しながらまちづくりに取り組む「プレーヤー」としての存在感を高め、豊かな和歌山づくりに少しでもつながることを願ってやみません。
(ニュース和歌山/2019年4月27日更新)