NTTドコモのインターネットサービス、iモードが誕生から20年を迎えた。携帯電話の普及と共に広がり、インターネットが身近に。コミュニケーションの姿は劇的に変化した▼筆者が初めて携帯電話を手にしたのは高1の春。普段のやりとりは電子メールになり、スマートフォンが登場すると日記や写真で近況を伝えるSNS、無料通話アプリになった▼便利さが増した一方で社会問題も出てきた。インターネット上で芸能人が被災地支援活動を報告すると「売名行為だ」と非難される「不謹慎狩り」のように、当事者以外の人の声がネット上で大きくなり、言葉だけ一人歩きをすることが増えた▼デジタルツールで共有できるのは視覚と聴覚の情報のみ。この情報だけで〝分かったつもり〟になると、相手への寛容さを見失うリスクがある。直接会うなど五感を働かせて接すれば、相手の気持ちをきちんとくみ取れる。デジタル化が進む中、そうした人間らしいコミュニケーションは意識して大切にしたい。 (林)

(ニュース和歌山/2019年6月15日更新)