シビックプライド
自宅前を流れる有本川。私が幼いころは染色の廃液などで、カラフルな水が流れていました(笑)。一度だけ落ちたことがあり、それはもう悲惨な記憶しかありません。
大人になりアウトドア好きが高じて始めたカヌーでの川下り、遠くはユーコン川まで行きました。自宅前よりカヌーを浮かべて、有本川~真田堀川~市堀川へと初めて下ったのは5年前。意外にも気持ちよく、これはいけるかも!と以来、毎年カヌー体験会を市堀川で実施してきました。汚い川というイメージはなかなかぬぐえないようですが、有本には揚水ポンプ場が整備され、紀の川の水がくみ上げられ、水質は環境基準を満たすところまできています。
中心市街地を流れる内川流域では川に背中を向けた建物が多く立ち並ぶ中、川に開いたお店や、川側に外席を設置するお店もちらほらと見かけるようになってきています。
2016年にわかやま水辺プロジェクトを立ち上げ、市堀川でカヌーやSUP体験、オープンカフェ、水辺のマルシェ、シャトル船や屋形船の運航、足こぎペダルボートの実験、イルミネーションやライトアップなど、様々な社会実験をたくさんの方々の協力の下、行ってきました。人口減少に伴い都市が縮退していく時代こそ、素敵なまちをデザインできるタイミングでもあると思うのです。
河川や道路、公園などの公共空間をまちづくりに生かすための法律も整備され始めています。まちなかや川沿いに緑があふれ、自然豊かな都市として多様な生態系が維持されるまち、人の営みも多様で、様々な事業が営まれるまち、歩いて楽しい、住んで楽しい、訪れて楽しいまち、そんなまちになればと思っています。
自分たちが住んでいるまちを良くしていこうとする当事者意識に基づく自負心を「シビックプライド」と言います。自分たちのまちを良くするために自分にできることはやってみようと思い活動していますが、シビックプライドを持ったたくさんの方々がこれに賛同し、協力してくださっていることに感謝しています。
(ニュース和歌山/2019年7月20日更新)