ドカドカっと部屋に入り込み、腹にパンチをくらわせ、注射器で血を抜き取る──。今、幅広い世代から人気を得ている漫画『ツキイチ、生理ちゃん!』の冒頭で、ピンクのボディーに真っ赤な口紅の生理ちゃんが女性に痛みをもたらすシーンだ▼生理をポップに擬人化したコミカルな作品で、権威ある手塚治虫文化賞を受賞し、この秋には映画化されるなど話題を呼んでいる▼腹痛、頭痛、眠気、貧血…。生理のつらさは個人差が激しく、女性同士でも分かり合えないことも。人前で話題にするか否かは個人の選択だが、生理について話せる雰囲気に世の中が変わりつつあるのは前向きな変化だ。男性が理解するきっかけにもなるだろう▼作品内で「女性は生理があるから大変だよね」という男性に、生理ちゃんは「生理を理由にできないのが大変なんですよ」とささやく。大きな声では「つらい」と言いにくいのが現状だが、男女問わず、自分と大切な人の体をいたわり、寄り添う気持ちが社会に浸透し始めている。 (井本)
(ニュース和歌山/2019年7月27日更新)