ありのまま表現する喜び
和歌山市加太の漁師の家に生まれ、小さいころから漁港や海辺でのんびり過ごすのが好きでした。母の実家は磯の浦で海の家を経営し、子どものころから夏休みは手伝い、色んな人と接しながら心の休憩所、人が集う場で過ごしてきました。この経験が今の私の〝根っこ〟につながっていたんだと最近気づきました。
大阪デザイナー専門学校の絵本創作学科卒業後、花屋で勤務し結婚。アートでコミュニケーションを図る活動「art home FURARI」を始め、LOVE&SMILEをモットーにHAPPYが広がる活動を通し、アートコミュニティづくりや五感を磨く活動、体験の場を企画しています。周りの人とありのままを表現する喜びを分かち合い、自らも表現者として活動しながら、地域活性化や温かいつながりのあるまちづくりをお手伝いしています。
活動のきっかけは長男の出産でした。想定外ばかりの子育てに自信をなくしました。視野がどんどん狭くなり、心も体もボロボロだった時、コラージュ療法に出合い、作る過程で心が動き、気持ちが整理されました。アートの力が年齢問わず心の成長のきっかけをくれるのだと知りました。選択肢を持つことで世界の見え方が変わる。辛く苦しいことも、いつか感謝にかわり、その経験も生きてきます。
10年前から子どものアート講師を務めています。子どもは気持ちを言葉にするのが下手で、だからこそ言葉にならない心の声に寄り添えるアートセラピーを軸に、上手い下手ではない様々なアート体験を通して「みんな違ってみんな良い」、そんな自分のことが前より好きになる空間を作ろうと続けています。
今は、幅広い年齢層で、それぞれの方法で自己表現の楽しさや自己肯定感の底上げを手伝いたいと思っています。10年前から夏になると、世界で一枚のオリジナルTシャツを作る「Tシャツアート祭り」を開いています。たくさんの人と夏を彩り豊かに過ごせることが楽しくて、毎年続けていきたい活動の一つです。
(ニュース和歌山/2019年8月10日更新)