「オフ」を「オン」に変える

 前回、和歌山愛を語りましたが、実は和歌山とはほぼ縁もゆかりもありません。出身は愛知県。学生時代にふらりと立ち寄った就職説明会、ブースを設けていたタカショーとのご縁から海南に赴任し、入社面接時に「3年で辞めて独立します!」と宣言しながらも今年18年目です(笑)。

 その中で照明の事業に携わり、ある時、和歌山のルミナリエを知ったんです。1995年にマリーナシティで開催された「光の回廊ルミナリエ」をご存知でしょうか? LEDがない時代、全て電球で大規模なイルミネーションが施された関西最大級の光の祭典。しかも神戸に先駆けて和歌山で。今見ても身震いするこだわりのイルミネーションの数々が写真に残されていました。再びここにヨーロッパにあるようなイルミネーションを灯したい。そう思い、フェスタ・ルーチェはマリーナシティにこだわったんです。

 世間でいうと、イルミネーションの需要は下がっています。LEDの寿命が長いため買い替え需要が少ない。それなら自分たちが持って、多目的に使えばいいじゃないか。そういう発想の転換が原点。考え方を変えればデメリットもメリットに変わるんです。

 フェスタ・ルーチェのビジネスは「オフシーズンをオンシーズンにする」ものだと信じています。寒くて人が訪れない「オフ」な場所を、イルミネーションで「オン」にする。その逆もしかり、夏のスキー場でもいいんです。そんな場所の1つとして、今年は栃木県の那須りんどう湖レイクビューでもフェスタ・ルーチェを開催しています。

 実は、このように広がりを持たせられたらとの思いを込め、あらかじめ「和歌山フェスタ・ルーチェ」や「フェスタ・ルーチェ和歌山」ではなく、「フェスタ・ルーチェin和歌山」という名称にしていました。さらに今後いろんな場所に広がった時、その発祥が和歌山だと言えるようになれば、地元の人たちの誇りになると思っています。

(ニュース和歌山/2019年11月16日更新)