毎度馬鹿馬鹿しいお話を…
え~、相も変わりませず、馬鹿馬鹿しいところを聞いていただきますが──。
私はお笑い好きで、漫才・落語はよくテレビで見ていましたが、古典落語に出てくるモノ、たとえば「竃(へっつい)」とか、「煙草盆(たばこぼん)」はどんなもんや?という疑問が常にありました。そんな時、新聞で文化庁支援事業「桂枝曾丸落語ワークショップ」を見つけ、「いろいろ教えてもらおう」と軽い気持ちで申し込みしました。
第1回目、落語の歴史や道具などを丁寧に教えていただき、満足した終了間際に、「半年後、一席覚えて発表してもらいます」と。「はぁ? ちょっと待てぇ~、そんなん聞いてへんがな!」。だいたい人前でしゃべるのが苦手で、すぐ赤面する、声が震える…。そんな人間が落語を「する」なんて絶対無理!
ワークショップはすぐ辞めようと思いました。が、帰って、「ま、人生、ひとつぐらい落語覚えといて損はないかな? 恥ずかしいけど、覚える自信ないけど、やれるところまでやってみよう」と気持ちを切り替えました。
半年間、猛稽古をして発表会当日、心臓が飛び出るくらい、逃げ出したい程の緊張の中、何とか終了。「やれやれ、これでもう落語やらんでええわ!」………とは不思議と思いませんでした。なぜか「またやりたい」だったのです。これは発表会に出た他のメンバーも同じ思いでした。
それから1年後の2010年4月、ワークショップ卒業生で、わかやま市民会館落語倶楽部「紀(しるす)の会」を立ち上げました。この「紀」という文字。もちろん紀州の「紀」であり、日本書紀の「紀」。素人であり、一から落語を始めましょうとの意味でつけました。なかなかちゃんと呼んでもらえず、「きの会」とか「しるしの会」とか(笑)。
これから落語をやっていくぞ! 意気込んだのはよかったのですが、どこでどうすればいいのか…。続きは近日公開!
(ニュース和歌山/2020年4月11日更新)