社会とのきずな 届けます
スーパーオークワでバイヤー、大型店店長、販売部長や商品部長とキャリアを重ねた私は、「残りの人生は人を直接助けて生きたい」と介護業界へ転職。その後、小売りと介護、両方の経験を合わせた移動スーパーを始めました。現在、移動販売車4台のうち、1~3号車の担当は30代前半の若者。移動スーパーで役に立ちたいとの志を持った好青年ばかりです。
買い物を通じた安否確認や食の見守りを担うわかヤンは、どんな環境でも休みません。雨の日も熱中症になりそうな炎天下でも、雪が積もった日も、必ず訪問します。台風で休む時はギリギリまで悩んで結論を出します。新型コロナウイルス禍でも、万全の感染対策で臨んでいます。
コロナ禍で高齢者の孤立は深刻化しています。これまで少しは外出できていた方も、「人の多いところに行くのは怖い」「うつったら自分は死ぬ」との不安から外出を控え、家族も来なくなり…。中には私たちが行かなければその日1日、だれとも話をせずに終わる方もいます。
10分でも遅れると「今日どうしたん? 事故でもしたかと心配したわ」と逆にいたわりの言葉をいただくことも。お客様は様々な不安を抱えていますので、可能な限り寄り添ってお話を聴きます。瞬間的には、家族以上の存在になっているかもしれません。
高齢化が急速に進む今、社会と高齢者のつながりは重要な課題です。わかヤンは開業時から「来てほしいと依頼があれば断らない」との基本姿勢を貫いて来ました。しかし、コロナ禍で依頼が殺到し、現状の4台では和歌山市内すら回り切れません。増車に向け、社会貢献を担える人材の育成を急ぐ必要があります。目標は和歌山市内で10台、ゆくゆくは近畿で100台。これからも人のために尽くして参ります。
(ニュース和歌山/2020年10月24日更新)