様々な人が出合う仕掛け
未来を描くことや数値的な予測はできても、起こることは正確には分からない。その時代ごとに自ら考えて行動する人々がいると心強い。「つくる人」が育ち続ける仕組みが私の希望だ。
「まちの放送局をつくれないかな」「IT×農業」「アート×社会×◯◯で何かしたい」「原始的経済活動に興味がある」「夫の転勤で和歌山へ来たが孤独。何ができるだろう」「やりたいことが分からないから、色々な活動にかかわりたい」──。わくわくするアイデアもあれば、不満から生まれる打開策もある。
それぞれの動機を持ち、自ら一歩踏み出していく人たちがいる。「私もやってみよう」と一人、また一人と勇気が伝播していく。不確かなものに挑戦し、生き生きとしている大人たちの背中を見て育つ子どもたちもまた、次代の担い手になっていく。そんなつくる人が育ち続ける土壌を和歌山で耕したいと思う。
実際、取り組みはシンプルで、プロジェクト、イベント、空間などを通して様々な垣根を超えやすい仕掛けづくりを、できるところから進めている。
私自身にも身近な課題はまだまだある。教育、ジェンダーギャップ、働き方…。ただ、それぞれの問題部分をひも解くと、縦割りを中心とした社会や家庭、職場、学校、地域が分断されている影響が大きいように思う。組み合わせとは不思議なもので、自分だけではどうにもならないことを「目の前の人」が解決してくれたり、ヒントを持っていたりする。現在の私があるのも様々な「目の前の人」のおかげだ。
いま認知できない課題に直面したときにも、世代や分野を超えて一人ひとりが知恵を出し合い、その局面を乗り越えていける。そんな関係性が変化しながら、ら旋状に未来へ続くことを意図して、これからも活動を続けたいと思う。
写真=cotowaでそれぞれのアイデアを持ち寄り、話し合う
(ニュース和歌山/2020年11月28日更新)