Love your place, Share it with the world.(地元を愛し、世界とシェアしよう)。和歌山大学観光学部が掲げるスローガンだ。この言葉を、同学部の特任助教、サイモン・ワーンさんに教えてもらった▼彼は映像ジャーナリストでもある。オーストラリアで環境保護を訴える番組を制作していた。今は太地の捕鯨文化を世界産業遺産に登録しようと研究に熱心だ。和歌山の観光地や眠る歴史を掘り起こし、世界へ発信している▼先日、彼が撮影した和歌山の地場産業の写真を見せてもらう機会があった。モノクロに切り取られた醤油蔵、銀色に輝く金属加工品、繊細で妖艶(ようえん)な光を放つ皮革…。見たことのない〝ワカヤマ〟が写し出されていた▼そんな彼が撮った市街地の水辺の写真が、2月4日(水)午後7時、和歌山市元博労町のおのまちあるふぁで公開される。「和歌山の人は地元の美しいものを知らなさすぎる」とサイモンさん。彼の写真に出合うと、地元を愛し、シェアせずにいられなくなる。 (岡村)

(ニュース和歌山2015年1月31日号掲載)