2月6日朝、登校する我が子をいつもは玄関先で送るが、この日は外へ出て、見えなくなるまで見届けた。そんな方は少なくないだろう。前日の5日夕方、紀の川市で小学5年生男児の命が奪われる悲しい事件が起こった▼7日未明、容疑者が逮捕された。一人の親として少々安心したものの、まだどこか引っかかるものがあった。その日、いつもは子ども一人で通う習字教室に付き添うと、同じく送り届ける他の保護者がいた。あいさつ代わりに天気の話でもするところ、「イヤな事件があったんでねぇ…」との言葉が互いの口から出た▼事件について伝えるインターネット記事、そのコメント欄には「ご冥福(めいふく)をお祈りします」との書き込みが目立った。しかし、この追悼の言葉に対し、〝そうは思わない〟をクリックする人が少なからずいる▼おもしろ半分なのか、何なのか。全く理解できない。ただ、現代社会にはびこる闇の深さを表しているようにも思え、何ともいえない恐怖を感じた。胸が痛い。(西山)
(ニュース和歌山2015年2月14日号掲載)