提案者:川口 充紀(自立援助ホームを運営するトレス理事長)
またしても幼い命が奪われる出来事が紀の川市で起きました。何度も繰り返される、しかも子どもが犠牲になる悲劇に胸がふさがれる思いです。事件の真相は今後の審理を待つとして、容疑者が同じ地域の若者であったことは、多くの人にとって衝撃だったのではないでしょうか。
私が子どものころは、地域内のほとんどの子どもやその親とも面識があり、気さくに声を掛け合えたものですが、昨今では近所に誰が住んでいるのかすら分からない有様です。
私は、なんらかの理由で家庭にいられなくなり、働かざるをえなくなった思春期の子どもたちの自立を支援する施設を営んでいます。虐待等により心に傷を抱えつつ、頼るべき親族もなくて自立を強いられる子どもたちにとって、私たちの社会は決して温かいとは言えません。
そこで、私が提案したいのは「大人は必ず、子どもより先に挨拶(あいさつ)しなければならない法案」です。これまで、年配の方から「近ごろの若いもんは挨拶もしない」というご意見を伺ったことが何度かあります。そのたびに私は、「貴方から先に子どもたちに挨拶をされたのでしょうか」「大人が挨拶していないのに、まだ成長途中の子どもに挨拶を求めるのは順序が逆では」といった趣旨のことをやんわりとお伝えしたものです。
この法案が施行されれば、地域の大人は、子どもに出会えば必ず挨拶をしなければなりません。毎日していれば、いつの間にか子どもたちの方からも挨拶が返ってくるでしょうし、どこにどんな子どもがいるのか自然と覚えてしまうのではないでしょうか。中には、大人より先に挨拶して困らせてやろうという茶目っけのある子どももいるかもしれません。
挨拶は人間関係の基本です。「おはよう」という声に張りがあれば、ああ元気だなと思い、沈んだ声ならなにか悩みがあるのかなと心配し、そっと手を差し伸べる。私たちの住む社会がそんな素敵なところになるために、まずは挨拶から始めてみませんか。
この法案にご意見を
「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も)。次号以降掲載します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。
なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。
【応募先】
編集部「よくする法案」係
郵送=〒640・8570ニュース和歌山
FAX=073・431・0498
メール=nwtoko@nwn.co.jp
法案への読者の声
2月14日号掲載 毎月16日を「紀州和菓子の日」に
「紀州和菓子の日」を設けて和菓子にちなんだ活動をすることで、和歌山の魅力に気づき、和歌山が好きになります。(紀州の和菓子と文化を考える会事務局長・山本智子)
◎私は和菓子が好物だ。和菓子は視覚と味覚、二重の楽しみ方ができる。しかし、近所に和菓子屋が少なくなり、法事の時の上用まんじゅうの購入にも不便な状況。「紀州和菓子の日」の制定で、和菓子に触れる機会を多く作ってもらえるとありがたい。高齢化社会においては「店まで買いに来て」というやり方より、スーパーなど人の集まる場所での出張販売が良いと思う。また、小中学校への出張授業で子どもたちに和菓子の素晴らしさを伝えるなど、この法案の趣旨を生かせる方策をしっかり考えたいものだ。(無職 匿名・68歳)
◎私たちが子どもの頃のおやつや祭りと言えば和菓子だった。それもいつでも簡単に食べられるものではなく、貴重なものだった。駿河屋がなくなって本当に寂しい。ぜひこういう和菓子の日を設けて、もう一度、和歌山の和菓子屋復活に声をあげていく必要があると思う。(栄養士 匿名・65歳)
◎洋菓子と和菓子を比較すると、極端に言えば、洋菓子は動物性、和菓子は植物性の材料を多く使用していて、体に良いのは和菓子だと思う。このような和菓子の良いところを市民の人に多く知ってもらうためにも、この法案には大賛成。(会社員 松本泰男・67歳)
◎和歌山には和菓子が似合うロケーションがたくさんある。そんな場所に様々な和菓子、考えただけでワクワクする。(会社員 匿名・38歳)
◎京都なら「和菓子の日」を設定しても違和感はないが、和歌山では正直疑問。和歌山県自体が京都のように和菓子に力を入れているというイメージがないからだ。「練りようかん発祥が和歌山」という話を県民のほとんどが認知しているのであれば別だが、それほど浸透しているようにも思えない。(契約社員 川﨑健太・32歳)
2月7日号掲載「朝夜鏡に向かって『いいね!』」
◎老夫婦の2人暮らしで大切なのは、いつも笑って背筋をしゃんと伸ばしてテキパキと動いて…と思っていても実行は難しい。笑うことは大事なこと。本法案の「潜在意識の能力開発に働きかける効果絶大」が大いに気に入った。これから先の人生、心身共に健康でいるために、この法案を今の今から実行していきたい。前々から思っていたことを改めて考えさせられた。(主婦 匿名・74歳)
(ニュース和歌山2015年2月21日号掲載)