提案者:平岡 仁 (陶芸家)
和歌山は徳川御三家の一つでありながら、現在の文化度はあまり高くないように感じます。文化といっても難しいことではなく、映画や演劇、音楽ライブ、美術館、各種の工芸や写真の展示会に行くなど、人によって違いはあれど、とても身近なものです。日常生活に潤いを与えてくれるそれらが和歌山には足りていないのではないでしょうか。
和歌山には、アート・音楽・工芸を身近に体感するために必要な美術館やギャラリー、ライブ会場などのハード面と、ソフト面としてのアーティスト・作り手の両面が不足しているのではないかと感じます。
設備運営、また作り手がプロとして活動するためには、対価としての収入が必要なのは言うまでもありません。それが和歌山では得づらいのです。大学などで県外に出た才能豊かな若者が和歌山には戻らなかったり、県内から活動を都市圏に移したり…。これはとてもモッタイナイ。そこで和歌山の文化度を上げる、和歌山で良いアート・工芸に触れるために重要なのが、〝買う〟 こと。これは〝育てる〟 ことです。
コンサートに行く、地元の伝統工芸品を買って使う、美術館に絵の鑑賞に行く。それら全てが和歌山の文化度を上げるのです。飲食店やサービス業などと同じ、需要と供給によって成り立つ経済活動なのです。
不必要な物にお金を使えというのではなく、余裕があればでいいのですが、少しリッチなランチを食べるぐらいの気軽さで、良いと思うアートや工芸などに少しでもお金を使うこと。それがギャラリーや作り手を育てます。県外の作家らにとっても和歌山で活動することの価値が生まれます。
今よりも皆がほんの少しずつ、アート・工芸を買う。それが和歌山の文化度を上げ、暮らしに潤いをもたらし、子どもたちに新たな可能性と豊かな経験を与えるかもしれません。県外の方が来和するきっかけにもつながると思います。貯蓄も大切ですが、きっと有形無形に地域とあなたに返ってきてくれるはずです。
この法案にご意見を
「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も)。次号以降掲載します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。
なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。
【応募先】
編集部「よくする法案」係
郵送=〒640・8570ニュース和歌山
FAX=073・431・0498
メール=nwtoko@nwn.co.jp
法案への読者の声
4月11日号掲載 1日1回は環境にいいことを
美しい自然を守り、子どもたちに残していくために、毎日1つでも環境に良いことを考えたり、行動したりしましょう。(ブルーオーシャンフォーチルドレン・福森佳子)
◎私の子どもの小学校には、学級活動の時間に近所の公園の清掃を行う「クリーン大作戦」というものがある。子どものころから自分たちにできることを行ったり、また公園内のゴミの多さを知ったりすることは、将来環境について考えるきっかけになると思う。そして大人も普段から行動を起こすことで、環境保全につながることはもちろん、子どもにも手本を示すことになる。(主婦 匿名・30歳)
◎かつてないほど南極大陸の氷が溶けているというニュースを聞いて、改めて化石燃料の使い過ぎを痛感した。私たちが未来の世代に少しでもましな環境を残すため、本案を常に心がけるべきだと思う。(看護師 匿名・27歳)
4月4日号掲載 「小・中・高に『地元』という科目を」
◎地元愛を育むのは重要なことだと思うし、和歌山の未来の産業を支えていく上でも欠かせない要素の一つである。だが科目として取り入れれば、その分、勉学にあてていた時間が削られることになる。現在和歌山は、全国学力テストでも小中共にほぼ最下位という状況。新たな科目を作るだけの余裕はない。よって、義務教育期間に数時間、「地元について」と題し、学習するのが限界ではないだろうか。(学生 匿名・16歳)
◎本法案の発想はすばらしいと思うが、小、中学校にはいらない。本来、義務教育は、将来社会に出て行くための基礎的な力(学力だけではない)をつけるための場であり、学校現場にいろいろなことを要求するのはまちがっていると思う。スポーツの世界でも基礎体力のない者は通用しない。それと同様に、小、中学校の間は、ひたすら基礎を身につけることに力を注ぐことが望ましいと考える。(元教員 匿名・80歳)
3月28日号掲載 「和歌山を世界の海上物流拠点に」
◎和歌山は海に隣接していて、関西主要都市である大阪からも近い。交通の整備が進めば、企業誘致され、世界から様々なものが流通するだろう。世界の海上窓口となれるような土台を県民皆でつくり上げていきたい。(会社員 匿名・38歳)
(ニュース和歌山2015年4月18日号掲載)