提案者:岡 公美(デザインユニット リ・ビーンズ)
和歌山市の景観です。
紀州55万5千石の城下町でありながら、お城や歴史ある風景のなかで、およそ似つかわしくないデザインの看板や、品のない色合いのサインなどがあふれています。風光明びな景色の周りに、派手な屋根の民家など目を覆いたくなることが度々あります。個人的なセンスや趣味を押し付けるつもりも、自分の好みが一番とも思っていませんが、もう少し景観に配慮した気配りがあると、街全体が美しい調和を保つのではないでしょうか?
以前、ロンドンに出張した際、ノッティングヒル地区(ハリウッド映画に登場したことがあるのでご存知の方もいらっしゃるのでは)の街並みは淡いパステルカラーで、ラベンダーの家のお隣はクリームイエローの家、そのお隣はペパーミントグリーンの家と全体のカラーハーモニーが素晴らしく美しいのです。自分の家の壁を決める時に調和とバランスを考えているのがよくわかります。これは、街のペンキ屋さんの仕業でしょうか? その街に暮らす人々の知恵でしょうか?
そこで、提案です。街の景観と調和を考えたお家やお店、会社を造った場合に景観配慮にちょっとご褒美という事で、市民の投票で、何かおいしい和歌山市の食べ物がもらえるとか。賞金でなくささやかな、センスに対するご褒美のような。小さな市民運動が集まり、配慮などおおげさでない気づきが生まれるのはステキな事だと思います。
周りが少しずつ美しくなり、今まで気がつかなかった自分の家の外観を少し考えるきっかけとなるのではないでしょうか。 もうすぐ紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会が始まります。和歌山市に大勢のお客様がいらっしゃいます。整備された街並みも大切ですが、市民一人ひとりの気配りがきれいな景観の街を創り、「街全体でおもてなし」を表現できればよいと思います。
この法案にご意見を
「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も)。次号以降掲載します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。
なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。
【応募先】
編集部「よくする法案」係
郵送=〒640・8570ニュース和歌山
FAX=073・431・0498
メール=nwtoko@nwn.co.jp
法案への読者の声
5月23日号掲載 未就学児に月2回の自然体験を
子どもたちは本来、自然の中で育つ力を持っています。未就学児のころから、変化に富んだ自然の中で多様な刺激を感じる体験をさせてあげましょう。(いなか伝承社・田中寛人)
◎38年間幼稚園に勤めた経験上、子どもたちにはぜひ自然の中で体と心を動かして遊ばせてあげたいと思う。自然の中でいろんな体験をすることで、体が強く、心が豊かになる。また、発見したことを周りの人と共有することでコミュニケーション力もつく。今の子どもたちは、群れて遊んだり、自分で工夫したりすることが少なく、その弊害として集団生活に適応しにくかったり、生活習慣が身に付きにくかったりしている。自然の中で、本来の子どもたちの姿で育ってほしい。(無職 美濃部伸子・61歳)
◎子どもたちに、みかんの白い花が咲いているとか、いちごが熟しているといった自然の変化を感じてほしい。「いちごの季節は?」と聞くと、「クリスマス」と答える子どももいるそうだから。私が子どものころは、学校から帰ると、外でままごと遊びをしたり、山菜採りに出かけたりした。自然体験はすばらしい。そのころのことが鮮明に思い出される。(主婦 湯上美智子・79歳)
◎裸足で走ったり、刃物を使ったりする際の安全確保や、幼稚園、保育園がどう関わるのかという課題はあるが、自然体験を通して子どもが得るものは大きい。ぜひ実現に向けて取り組んでほしい。(主婦 匿名・30歳)
〈読者投稿〉
走るナースさん 心込めた見守り 和歌山市 山本潔(87)
2月の初めに転倒して骨折し、5月半ばまで入院生活を送り、その間、ナースさんや介護の方たちの心込めた見守りを受けてその温かさに癒やされました。高齢の患者さんが日増しに多くなる現在、その介護を身体ごと受け止めて、時には夕方から翌朝に至るまで、長い間働きつづける方々のご苦労に頭が下がる思いでした。
ある日、聞いてみました。「大変な毎日だけど、どんな患者さんが一番負担ですか?」。ナースさんは「患者さん皆さんに同じように心を配るのが私たちの役目ですヨ」。マイッタ! 介護大明神そのものであろう。思わず手を合わします。
ブザーが鳴り響く。トイレの前の灯りが点滅、部屋の前にも点滅の灯り。時には右にも左にもブザーが響く。ナースさんが走る。走る介護が今夜も始まる。こんな状態をどんな言葉で表現するべきか。見つからないまま退院してきた。今夜もナースさんたちはきっと懸命に走り回っている。
読者の皆さんの投稿をお待ちしています。
(ニュース和歌山2015年6月6日号掲載)