提案者:岡 記生(リ・ビーンズ代表、デザイナー)
このコーナーでは、これまで子どもたちに向けた郷土教育の提案がいくつかありました。和歌山というところは他県と比べると、情報が少なく、地元のことを知らないまま和歌山を出る人が多いです。都会で暮らし始め、年齢を経てから生まれ故郷のことを何も知らないと痛感する人も多いと聞きます。
私も和歌山を知りたいし、和歌山を自慢したい。心から自慢したいことを胸に抱き、全国、世界と比べて考えるのはいいことです。地元の素晴らしさ、他の町の素晴らしさを知ることができます。そんな気づきのきっかけを得る機会、習慣ができないかなといつも考えています。
ここ数年、東京や大阪などで「マチオモイ帖」という展覧会が開かれています。これはクリエイターたちが自分が愛着のある土地への思い入れを、小さな帳面風のアート作品にして並べ、お互い手にとって見て楽しむ催しです。私も幼いころ過ごした熊野川町の写真と文章を使い、「熊野川帖」を作り、熊野の水と空気を試験管に入れて一緒に展示しました。クリエイターによる思い入れのある土地の表現を見ると、普段当たり前にあるもののとらえ方に光るものを感じます。
私はこういった「マチオモイ帖」の和歌山版を提案します。小学校で子どもたちが自分の町の魅力を小さいデザイン作品に込めることができれば、子どものころから、当たり前にあるものの魅力に気づき、県外へ出ても面白いものをとらえる感性のある大人に育ってくれる。いろんなエエコトに気づく面白い人になってくれると思います。
単なる提案ではなく、私自身、こんな「マチオモイ帖」のような作品の作り方を子どもたちに教えてもいいと思っています。一度、小学校でデザインを教えた時、子どもたちは楽しみながら熱心に取り組んでくれました。素直に楽しめる子どものころに気づきの力を育てたいですね。
写真=手帳大のアート作品
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なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。
【応募先】
編集部「よくする法案」係
郵送=〒640・8570ニュース和歌山
FAX=073・431・0498
メール=nwtoko@nwn.co.jp
法案への読者の声
8月22日号掲載 世界へ発信する水辺イベントを
和歌山には世界に誇れる海や川があり、レジャーも豊富。市民がもっと水辺に関心を持ち、世界に発信するイベントを開きましょう。(みずせった普及実行委員会会長・堀口寛司)
◎和歌山は海岸線が長く、県内を流れる川も多い。そして、どこも水がきれいだ。この好条件を生かして、水辺に慣れ親しむイベントを企画するのは意味がある。それを通じて、環境問題を考え、郷土愛を育む一端となればなおさら良い。なお、イベント時には、きれいな水辺を汚さないことや、夜遅くに花火をしたり、騒音を出さないなどのマナーを厳しく守ってほしい。そして、地域の人も他所の人も共にイベントを楽しみたいものだ。(無職 匿名・69歳)
◎和歌山の海洋資源の豊富さや素晴らしさについて大変勉強になった。そこで、提案に対する提案で恐縮だが、ここへ「和歌山の水辺遊びは世界一安全・安心」を付け加えてほしい。水辺遊びは、うっかりすると生命の危険と隣り合わせ。そこで、地域の「子ども見守り隊」のように「水辺遊び見守り隊」の結成をぜひお願いしたい。とにかく「和歌山の海・川は世界一楽しく、安全・安心な遊び場所」をワンセットでアピールしていってほしい。(塾講師 中川祐一・57歳)
◎なるほど、みずせったを履いて水遊びをしましょうよ。いなか育ちの私は、小川でみずせったを履いて川魚をとったもの。昨今はこんな風景は見られない。南紀古座川の「いかだ下り」「鮎釣り」や、和歌浦などのフェスティバルは素晴らしい。水辺の野外活動、ぜひ実行をと願う。(無職 湯上美智子・79歳)
◎「和歌山」「紀の国」という名前から木や山のイメージが強いので、もっと海や川のイベントを増やすことはとてもいいと思う。私も県外の友人に美しい海や川をアピールしたい。(会社員 匿名・36歳)
◎イベントそのものは周辺の活性化につながって良いが、雑誌で取りあげられるほど和歌山の海が有名なら、あえてする必要もない。和歌山の海や川の魅力が分かっている県民はたくさんいるが、遠浅の海がいい、イルカと泳げる海がいい、など楽しみ方は人それぞれ。(主婦 匿名・30歳)
8月15日号掲載 「高齢者の経験生かし世代間交流」
◎最近は他人とコミュニケーションを取る機会がなくなりつつあるので、その機会を設けるのはとても良い。高齢者の健康にもいいし、子どものコミュニケーション力アップにも役立つ。ただ過去の仕事の体験や農作業体験では開催間隔が長く飽きやすいし、製造業以外の高齢者の参加機会がない。ボードゲーム大会などを合わせて行ってはどうか。(システムエンジニア 匿名・30歳)
〈読者投稿〉
「お互いさま」に感じた爽やかさ
和歌山市 永井裕子(70)
高校の通学、会社の通勤、そして今は買い物やカルチャー教室と、ずっと自転車を愛用し、走り回っていました。
先日、田中町を走行中に急に自転車が止まり、スカーフがチェーンにからまって動けず困っていましたら、女性の方が声を掛けてくれました。そして近くの男性に助けを求めて、2人で汗をかきながら、一生懸命カバーを外してスカーフを取り除き、動けるようにしてくださいました。
本当にありがたく、お礼を言うと、「お互いさま」と言ってくださいました。人のことはかまわない今の時代に、爽(さわ)やかに感じてうれしくなりました。
(ニュース和歌山2015年9月5日号掲載)