提案者:志場 泰造(エスプロジェクト代表)

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 私の住む海南市では、紀州海南ひなめぐり、かいなん夢風鈴まつり、ふるさと海南まつり、紀州漆器まつり、家庭用品まつりなど四季を通じて様々な催しが行われています。また、黒江が舞台の地域発信型映画『ISHICHI』の制作、カイナンマンヒーローショーなどエンターテイメントの芽も育ちつつあり、最近では「鱧(はも)の街・菓子の街プロジェクト」が立ち上がり、食に関しても注目を集めています。

 今年初めて海南駅前で開催されたマーケット「ARCADE」には、県内外からたくさんの方が集まり、大変なにぎわいをみせました。9月2日には黒江の古民家「黒江ぬりもの館」(写真)が地域で利用するコミュニティカフェとしてリニューアルされました。

 しかしながら、これらの取り組みは30代〜60代で、これから地元を担う若者は進学、就職によってどんどん県外に出ているのが現状です。「まちを元気にしよう!」という素晴らしい取り組みも毎年、次世代への橋渡しに苦労しています。

 そこで提案です。老若男女問わず誰もが気軽に参加できる市民の意見交換会を月1回開催しましょう。名付けて「わかもんサミット」です。学生から経験豊かなお年寄りまで世代を超えて集まり、地元の農産物や郷土料理を食べながら、まちのことを語り合います。

 さらに、わかもんサミットを県全域で開催し、地域を越えた意見交換会から実践に向けて動き出せば、より素晴らしい未来をつくり上げられるのではないでしょうか。未来をあなた自身の手で築き、孫の世代、そしてその先につないでいきませんか?  実は、この法案実現に向け、第1回わかもんサミット海南を10月4日(日)午後7時、黒江ぬりもの館で開催します。海南の作物を使った軽食を食べ、黒江の魅力を年長者から聞き、語り合います。「どこもんよ?」と聞かれた時に「和歌山のもんよ、わかもんよ!」と誰もが自信を持って答えられるように。

この法案にご意見を

 「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も)。次号以降掲載します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。

 なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。

【応募先】

編集部「よくする法案」係

郵送=〒640・8570ニュース和歌山

FAX=073・431・0498

メールnwtoko@nwn.co.jp

法案への読者の声

9月5日号掲載 デザインで〝当たり前〟に光り

 子どもたちが自分の町の魅力をデザイン作品に込めることで、当たり前にあるものの魅力に気づき、感性豊かな大人に育つでしょう。(リ・ビーンズ代表、デザイナー・岡記生)

sanseiorenzi 今和歌山に住んでいる学生の多くが、将来地元を離れ、新しい土地で生活するでしょう。その先で出会う人に自分の故郷について語れると、それがきっかけで会話が弾み、また他地域の素晴らしさも知ることができます。もし、この提案が実現され、「マチオモイ帖」を小学校で作るようになれば、友だちと話し合ったり、作品を見せ合ったりするうちに「いろんなエエコトに気づく目」を持つことにつながると思います。故郷への思いが日常に光を与える、そんな「エエコトに気づく目」を私も持ち、いつか和歌山を出たときに他都道府県の人に和歌山のことを語れるようになりたいです。(学生 匿名・15歳)

 地元のことをどれだけ知っているかと聞かれて、よく知っていると答える人は全国でもわずかではないだろうか。あえて地元に限定した豆知識を知ることは、勉強になる。できれば、小学校からそういう授業を導入してみるといいだろう。まずは、その町でよく知られている豆知識から始め、学生たちが自主的に深いところへ進められるようサポートすれば、地元への愛着もわくようになる。(契約社員 川﨑健太・32歳)

 地元の素晴らしさを理解するために、子どもたちが「マチオモイ帖」のような作品を作るのは良いことだ。しかし、学校でその時間を設けるとなると、先生と生徒の間だけのやり取りになり世界が広がりにくいし、授業時間の確保も難しいのでは。公民館などで地域の人と子どもたちが交流しながら作品作りをすれば、地域の良さを教えてもらう良い機会にもなる。(整体師 匿名・46歳)


〈読者投稿〉

認知症を理解し地域で見守ろう 
                    和歌山市 梅田勝(78)

 高齢者の全人口に占める割合が多くなると共に、認知症の人の増加が問題となりつつある。認知症は一般の物忘れと違い、脳という身体の一部が病気になった状態であり、これは加齢により誰にでも起こり得る。認知症の初期には、何度も同じことを話す、「今日は何日?」と尋ねる、などの症状が始まる。中期では、症状があっという間に深刻化。徘徊(はいかい)が始まると昼夜に関係なく、家族は一瞬たりとも目を離せない。しかし、地域の人が、あの人の行動はおかしいと気づけば、やさしく声をかけたり、地域包括支援センターなどに連絡してもらうこともできる。地域の絆が希薄な時代だが、明日は我が身、見て見ぬふりや無関心ではいられないのが人というものではないだろうか。

(ニュース和歌山2015年9月26日号掲載)