アナログ盤レコードが再び人気だ。大阪のCDショップには1万円程度の簡易プレーヤーが山積みで、アナログ盤コーナーも広がっていた▼一方で音楽市場を席巻したCDのセールスが落ちている。好きな曲をパソコンでダウンロードしたり、You Tubeですませたりとインターネットの影響が大きいようだ▼アナログ盤人気はこの反動か。レコード盤の大きさ、扱いの面倒さは、CDの手軽さの前に弱点となったが、今、アナログ派の主張はこう。ジャケットのアートワークが楽しめる。AB面の展開にドラマ性があり、盤を裏返す手間がいい。音も独特のまざり方があり、デジタルよりいい。レコードの方が格好いいという人もいる▼私はアナログ派の意見が好きだ。便利、効率、手軽さを推し進めるのは心地よい。しかし、不便さや間(ま)を味わい深くするのが文化の源と思うからだ▼こう書くと、アナログ盤の良さは田舎の良さに似ている気がする。田舎が格好いい、という時代も来る…かな? (髙垣)
(ニュース和歌山2015年12月5日号掲載)