提案者:小林 護
(和歌山歴史地理研究会)
先日、名草戸畔(とべ)で有名な、和歌山市吉原の中言神社を訪れました。広い境内の畑にはコスモスが咲き乱れ、植樹もされて、まるで公園のように手入れが行き届いています。2、3人の老人がお孫さんらしき子どもと戯れていました。お社の周辺も最近、石垣や参拝道が整備されたらしく、奥の本殿へ難なく進むことができました。
聞くところによると、神社にはもう何十年も神主がおらず、神社の管理運営は吉原地区の自治会が行っているそうです。自治会費で本来の自治会活動を行うとともに、由緒ある中言神社のお祭りやお社の維持管理を行っています。境内の掃除や周辺の花畑の整備など、住民が日常的に神社の運営に携わるのは珍しいのではないでしょうか。住民は願い事のお祈りや、散歩がてら社務所に集まり、その地で暮らす人々の心を癒す場所になっています。
和歌浦地区でも「名勝和歌の浦クリーンアップ隊」が結成され、和歌浦を愛する方々がボランティアで清掃活動を行い、文化財としての名勝、和歌の浦の魅力アップに取り組まれて久しいです。和歌浦の風景に日々心を癒されている住民の一人として、こんなにありがたいことはなく、深く感謝しています。活動にご寄付をされている篤志家もいると聞いています。
人口が減少する一方、個人主義が広がって、古くから守り継がれてきた伝統や文化が廃れていくのではないかと危惧(きぐ)しています。どの地区でも、住民の心の拠り所となる、文化財や文化活動があると思います。自治会が普段の活動の一つとして地元の文化遺産を守ることで、それらが継続的に維持されていくのではないでしょうか。
写真=住民が管理する中言神社
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「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も明記ください)。次号以降掲載致します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。
なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。
【応募先】
編集部「よくする法案」係
郵送=〒640・8570 ニュース和歌山
FAX=073・431・0498
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法案への読者の声
12月5日号掲載 公民館で街中がん相談会
がん患者のさまざまな悩みに専門家が答える相談会を身近な場所で開き、がんになっても安心して暮らせる街をつくりましょう。(NPOいきいき和歌山がんサポート・杉谷園)
◎さまざまな専門家からのアドバイスを気軽に受けられる点で高く評価してよい提案だ。物事は一方向からではなかなかうまくいかないもの。多角的な視点を持つことにより、問題解決につながることが多い。がんなどの病気においては、なおさらそういった点が重要となってくる。人員的な課題が今後あるだろうが、県だけでなく国が一体となって課題に立ち向かえる方向に持っていくことで、より精度を高めた提案となり、制度となるのではないだろうか。(契約社員 川﨑健太・32歳)
◎「もし自分ががんになったら」と考えたことがあります。それで半世紀以上健康診断を受けています。特にかかるリスクが高いとされているのが乳がんなので、マンモグラフィーは2年に1回必ず受診しています。「街中がん相談会」については、心の痛みを持った同志が一堂に会し、身近な場所で相談できるので賛成です。(無職 湯上美智子・80歳)
◎がんは怖いです。がんのことは考えずに毎日暮らしていたいと思います。けれども、それではダメだということも分かっています。しかし、私はがんと向き合う勇気がありません。だからこの法案のように、身近にがんについて相談できる場所があるとうれしく思います。(会社員 匿名・36歳)
11月21日号掲載 あいさつは気軽に「ハグ」で
◎人と人というのは、いくら話をしていても関係は深まらないのだなあと最近つくづく感じます。例えば、机をはさんで向かい合って話をしたり、立ったままおしゃべりをしたりしても、別の日に会うと何も関係が深まっておらず、ちょっと物足りない気がします。血のつながらない他人だから当たり前のことだと受け止めていますが、ここにスキンシップが加わると断然感じが違ってくるように思います。ただし「ハグ」は、風邪をひいているとうつるのではとか、体臭の強さが気になるなど抵抗を感じたり、同性同士に限るなどの条件があり、ハードルが高いように思います。手を握り合うのですら気持ち悪いという人がいるぐらいですから、ここは少しハードルを下げて、日本式に「袖振り合う」ぐらいではどうでしょうか。(塾講師 中川祐一・57歳)
◎「ハグ」はあいさつの一つの方法であり、 ハグの効用についてやハッピーホルモンが発生することなどはなんとなく理解できます。しかしながら、人との触れ合いには、いくら安全な環境であっても、人それぞれの距離の取り方は違います。自分の距離感で近づくと、相手を不快な気分にさせてしまう恐れもあるのではないでしょうか。私は、久々に会った親しい友からハグされた時、病気でやせてしまった背中をさすられ不快感を持ちました。まだまだハグ下手、ハグされ下手なのでしょうね。(パート 匿名・51歳)
(ニュース和歌山2015年12月12日号掲載)