提案者:松本 敬子 (和歌の浦万葉薪能の会代表)
和歌山は近畿で唯一、また、全国的にも能楽堂がない数少ない県です。能楽に接する機会が非常に少なく、能・狂言が身近ではありません。
能楽は、能と狂言の総称です。能は謡(うたい)と囃子(はやし)を伴奏にストーリーが展開する歌舞劇で、極めて簡素な表現形式により、感情を繊細に表現します。狂言はせりふによる喜劇で、庶民生活の様々な笑いを描きます。その価値が認められ、2006年には能楽がユネスコの無形文化遺産となりました。
これに先立つ02年、中学校の音楽に取り入れられました。日本の伝統的な文化・芸能を見直し、日本の心を教育の場で育てようとの試みです。他府県では小中学生のための能楽鑑賞会や能楽ワークショップが盛んに催されています。
一方、和歌山だと、定期的に能楽を楽しむ機会は、「日前宮薪能」と、和歌の浦片男波公園の「万葉薪能」しかありません。江戸時代、紀州藩は喜多流能楽のパトロンで、城内に立派な能楽堂がありました。戦前は、鷺ノ森別院にも能楽堂がありましたが、戦争で焼失し残念です。
県民が能楽を直接目にする機会はほとんどなく、「高尚」「難しい」と、避けられる傾向があります。こんな状況を変えたいと、和歌の浦万葉薪能の会は子どもたちを対象に、毎年、ワークショップを開いています。子どもたちは「楽しい。毎年続けたい」と言ってくれますから、機会さえあれば、親しんでもらえると確信しています。
そこで提案です。次代を背負う子どもたちに、義務教育の間に1回は能楽鑑賞会に参加させるのです。経費は公費で賄います。もちろん、大人が触れる機会をつくることは大切ですが、まずは子どもたちから。他府県にいる友人は、「小中学生の時、学校で能楽を鑑賞した。今も記憶に残っている」と言います。
能楽は日本人の琴線に触れる芸能。小中学校で能楽を鑑賞し、伝統芸能の素晴らしさを体験すると、心の成長に大きく寄与すると思います。
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法案への読者の声
◎そもそもイクメンという言葉自体がおかしい、とテレビでだれかが言っていた。子育ては夫婦でするものだから、夫も育児をするのは当たり前だと。しかし、時代がまだまだその意識に追いついていない以上、ある程度の法律による強制は仕方がないことだろう。実際、妻の出産立ち会いのために仕事を休む若い世代と、それが理解できない年配の世代の意識の相違というのを、私自身も職場で感じたことがある。育児は夫婦でするもの、という意識が当たり前の世の中になるよう願う。(主婦 匿名 30歳)
◎父親になり、今までしなかった家事を少し手伝っただけでイクメンを気取っているのでは、妻の本当の気持ちは分からない。だから、パタニティ教室に参加してしっかりと学ぶことはとても大切なことだと思う。それによって社会に本当のイクメンが生まれることになるはず。(会社員 匿名 38歳)
◎パタニティ教室という面白い新語が聞こえてきた。世の中も考え方も変わってきたのがさみしくなった。子育てを協力するのは当たり前だし、喜ばしいこと。でも、何でもかんでも平等ではない。女性だからできることもたくさんある。子育ては毎日の積み重ね。手抜きしないで心を込めれば子どもはこたえてくれる。公園で子どもを見ているようでスマホを見ている母親らしい人を見かけた。まずは女性が、生まれてきてくれた子に喜びを伝えること。愛情を込めて身の回りのことを頑張ると、楽しい毎日になる。近ごろはご飯炊きをしている夫もいるようだ。でも、基本が間違っているのでは? 気がついたことを協力し、支え合っていくものだと思う。(無職 匿名 70歳)
(ニュース和歌山/2017年5月27日更新)