最近、子猫をよく見かける。夜の鳴き声に眠れない日もあるが、無邪気に走り回る様子を見ていると、犬派の私もつい顔がほころぶ▼先日、和歌山城で忍び足で歩く子猫を見かけた。視線の先にはハト。気づかれまいと神経を集中させ、狙いを定めるその姿からは、「僕が捕ったんだ!」と喜々とした表情で親猫に知らせる情景が浮かんだ▼「楽しんで狩りをする」。記者の仕事と同じだ。街でニュースを探し、切り込んで記事にする。入社半年足らずで、今はアンテナが低く、ただ慌ただしくて、何もできない自分にふがいなさを感じる毎日だが、「楽しむことを忘れては、できることもできなくなるな」とふと感じた▼今はできなくても、楽しみながらする。楽しめるように、早くできるようになる。それを忘れずに仕事に向き合うことが、一番の成長につながると、子猫に自らの姿を重ね合わせた▼結局、子猫はハトを取り逃がしてしまった。頑張ろうではないか、ともに。心の中でエールを贈った。 (長谷川)
(ニュース和歌山/2017年6月24日更新)